株の投資判断で使えるレーティングについて

レーティングとは証券会社などが市場分析を個人投資家のために提供するレポートの中で、その銘柄がどの程度有望なのかを格付けしたものです。

格付けのランクについては証券会社によって異なります。たとえば、銘柄の将来性が個人投資家にもひと目でわかるように、買い・中立・売りのように3段階評価のような形になっているものがあります。段階評価の格付けに加えて、その銘柄の目標株価も同時に公表されることが多いのが特徴です。

第三者の分析・評価を提供してくれるレーティングは、初心者の個人投資家にとって投資判断の後押しをしてくれる有用な情報となっています。

レーティングについて知っておくべき2つのこと

レーティングは投資判断の上で重要な指標となりますが、あらかじめ知っておくべきことを2つ紹介します。

レーティングは株価に影響を与える

レーティングは各証券会社がアナリスト独自の評価によって公表しているものです。アナリストのレーティングは直接の株価変動の原因とはなりません。ただし、優れた分析をする人は情報を公表しているうちに、その分析をもとに投資を行うと良い結果が出ると評判になるアナリストは少なくありません。

そうしたアナリストが高い評価のレーティングを発表すると、株価が上がってしまうことがあります。信じるかどうか投資家次第、といった世界ですが、株価に影響力のあるレーティングも存在することは事実です。

レーティングの変わり目に注意

たとえば、前日までは「中立」と評価されていた銘柄が「買い」に変更されることがあります。この場合、会社の業績的には変更が無いにも関わらず、株価が上昇することがあります。たとえ会社から新製品の発表があった場合でも、必ずしもその製品が売れるとは限りませんので、アナリストの評価の腕が問われる部分です。

それまでに、市場が注目していなかった情報を発掘してレーティング評価をいち早く上げたアナリストは、市場からも注目されることになります。注目アナリストがレーティングに変更をかけた場合には、その情報に乗って銘柄を買うことで収益を上げる可能性が高くなるのです。

レーティング情報はすでに市場に織り込まれている可能性がある

レーティングが証券会社から発表されるとすると、証券会社側としては事前にどんなレポートを出すかを知りうる状況にあるということです。もし、レーティングを上方修正した場合に株価が上がるのであれば、証券会社としては事前にその株を買っておけばいいわけです。

もちろん市場としてはそうした抜け駆けは許されないのが建前ですが、事前にレーティング上方修正を知りつつ株を事前に買ったかどうかの証明は難しいものです。

初心者の皆さんとしてはレーティングにまつわる情報戦で勝利することは難しいので、レーティングを世に知れ渡っていない情報として投資判断をするのは避けた方がいいでしょう。

信頼度の高いIFISコンセンサス

アナリストの評価平均をとった「IFISコンセンサス」という指標があります。IFISコンセンサスは、株価の今後を占うための参考になります。

IFISコンセンサスとは

各社のアナリストのレーティングの平均値を計算したもので、IFISコンセンサスというレーティングがあります。レーティングは各社様々な指標で評価していて必ずしも共通の手法で分析しているわけではありません。

これをIFISジャパンが独自ルールで5段階評価に変換し直し、平均値をIFISコンセンサスとして発表しています。

通常のレーティングは各社独自の評価をしているわけですが、株式市場は市場参加者全体のコンセンサスが株価という数値を結果として生み出しています。それと同様の発想で、レーティングも1社だけのものに注目するのではなく、市場の総合評価としてのレーティング基準値を算出したところに特徴があります。

個人投資家でも利用できるIFISコンセンサス

機関投資家にとっても膨大なアナリスト情報を全ても網羅することはできません。そうした状況から、市場のコンセンサスを表す指標としてIFISコンセンサスは有用です。

個人投資家としても、市場参加者としてプロの投資家との競争に後れをとるわけにはいきません。初心者の方こそ、IFISコンセンサスを利用して分析すべき投資対象を絞り込むべきなのです。

IFISコンセンサスは各社のアナリストがレーティングを変更すると最速でIFISコンセンサスの情報に反映されます。市場の評価が高いうちは株式を保有していても比較的安心ですし、コンセンサスの上方修正があればさらなる買い増しも検討することができます。

市場の注目度が一目でわかる

レーティングの対象に入っていることをカバレッジと言いますが、カバレッジの数が多い銘柄は市場全体から注目されていることになります。どのアナリストにも評価されていなかった銘柄が新規にカバレッジ開始されると、徐々に株価にもインパクトを与えます。

機関投資家は通常はアナリストの評価対象から外れているものについては投資の対象とはしないことが多いものです。機関投資家が注目しない銘柄について、株価が大きく上昇するようなことは基本的にはありません。

こうした市場の注目度を測る指標としてIFISコンセンサスには注意を払っておいた方がよいでしょう。

今こそレーティング情報を上手に利用する好機

レーティング情報は公開されているものとはいえ、できるだけ株式投資に有用な情報を提供してくれる方が望ましいことは言うまでもありません。もっと言えば、儲かる情報を提供してくれるレーティング会社はあるのか、ということが全投資家にとって最も知りたいことであるのは間違いありません。

ひところは外資系の分析情報で株価が大きく変動したりしたこともありました。もちろん外資系の分析は精緻で投資情報としては有用な情報であることが多いです。ただし、気をつけたいのは株式を売りたい大株主のために良いレーティング情報を出して援護射撃する場合もあるのではないかと言われていることです。

ゴールドマンサックスやJPモルガンといった外資系の投資会社が全盛のころは、外資系のレーティング情報は注目されました。ただ、リーマンショック等で投資会社への規制が強まって、それ以降の投資銀行には往年の力はありません。

個人投資家としては、情報に振り回されずに腰を据えて投資できる環境になったという点で環境としては良くなってきていると言えます。レーティングを利用することのメリット・デメリットを意識したうえで上手に利用すれば、あなたの投資の助けとなるでしょう。

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