株投資を始めるにあたり投資金を約100万円と設定した場合、売却益を狙った投資ができますし、株主優待や配当金を目的とした投資もできます。
どのように投資できるか、どんな銘柄を狙えるか、投資法に沿って具体的に説明しますので、以下ご覧ください。
推奨する投資方法
投資金が100万円の場合、売却益、株主優待、配当金のいずれかを目的として株投資ができます。それぞれの具体的な投資法をご紹介します。
売却益を目的とした投資方法
株の売却益とは、株を安いときに買い高くなってから売ることで得られる利益のことです。たとえば、50万円の株を買い70万円で売ったならば、売却益は20万円になります。
今後、株価が上昇する見込みのある株を探し出すのは簡単ではありませんが、ちょっとしたことがきっかけで株価が跳ね上がることがあります。そうすると大きなリターンを得られるチャンスになり、これこそが株投資の醍醐味とも言えます。
株価上昇が見込めるひとつの方法は、会社の経営状況に照らし合わせて株価が割安の株を買うことです。一般的に、株価が割安かどうかを判断するのに、2つの指標が参考にされます。
指標 | 意味 |
---|---|
PER(株価収益率) | 株価収益率のこと。株価÷1株利益で算出される。 |
PBR(株価純資産倍率) | 株価純資産倍率のこと。株価÷1株あたり株主資本(BPS)で算出される。 |
PER(株価収益率)が10~12倍以下ならば割安、PBR(株価純資産倍率)は1倍以下なら割安を示していることになります。
この2つの指標を参考に割安銘柄を探してみましょう。いくつかの銘柄をピックアップしてみます。
割安銘柄 | ||
---|---|---|
銘柄 | PER | PBR |
進学会(9760) | 2.43 | 0.43 |
極東貿易(8093) | 2.69 | 0.35 |
九州FG(7180) | 3.22 | 0 |
日信工業(7230) | 3.25 | 0.84 |
アルコニックス(3036) | 3.9 | 0.67 |
(2016年1月17日作成)
以上5社は、経営状況は好調、あるいは赤字などの問題があるわけではありませんが、PERやPBR指標が割安を指し示している銘柄です。
こうした割安銘柄は「安い」と見直され、買いが集まる傾向にあります。もちろん、将来的に必ず株価が上がると断定はできませんので、参考程度にしてください。
注意点ですが、PERやPBRが低い会社の中には、経営や財務状況が思わしくない会社があります。PER・PBR数値が低いからという理由だけで株を買うのではなく、事前に該会社の経営状況を四季報などでしっかり確認することが重要です。
配当金を目的とした投資方法
株を買うと、年に1、2回、出資先の会社から配当金が分配されます。出資したお礼として会社が株主に対して分配する謝礼金のようなものです。
この配当金を一つの売買目的として株投資をすることができます。配当金額は会社によって異なり、会社側が独自に設定しています。
株価は安いけど配当金をたくさん分配してくれる銘柄もあれば、株価が高いのに配当金はほんのちょっと…という銘柄もあります。
そこで目安にしたいのが、配当利回りです。配当利回りの算出方法は以下の通りです。
「配当利回り=(配当金÷最低取引単位金額)×100」
この計算式によって算出される配当利回りですが、高配当利回りの目安は3.0%以上です。東証1部に上場している会社のうち、配当金を設定している会社の平均利回りは1.56%です。(2015年12月のデータ、日本取引所グループ発表)その約2倍の利回り、3.0%の配当利回りならば効率よく株投資ができることになります。
配当を目的として株投資をすることを考えているなら、配当利回り3%以上の銘柄を保有し、より多くの配当金を獲得することを目指しましょう。
現在、東証1部に上場している銘柄のうち、高配当利回り銘柄BEST5は以下の通りです。
高配当利回り銘柄 | |
---|---|
銘柄 | 配当利回り |
アサツーディ・ケイ(9747) | 9.64% |
丸三証券(8613) | 6.48% |
極東証券(8706) | 5.52% |
マネックスG(8698) | 5.36% |
東海東京HD(8616) | 5.23% |
(2016年1月17日作成)
BEST5銘柄のすべてが利回り5%以上となっており、とりわけアサツーディ・ケイ(9747)は9%を超えています。経営・財務状況が悪いと株価が下落し、結果配当利回りが高くなることがあるのですが、アサツーディ・ケイの経営状況は好調です。
こうした経営状況好調で配当利回りが高い銘柄を保有するなら、効率よく配当金収入を得ることが可能です。
株主優待を目的とした投資方法
100万円でできる株投資に株主優待を狙う投資法があります。株主優待とは、年に1、2回、会社が株主に対して贈呈する御礼品のようなものです。
株主優待商品の中には高額なものや非売品の自社製品など、価値が高いものがあります。それら株主優待を狙って株投資をすることでも利益を獲得することができるのです。
以下は、100万円以下で買える株の株主優待銘柄です。
100万円以内で買える株主優待銘柄例 | ||
---|---|---|
銘柄 | 最低必要額 | 優待内容 |
森永乳業(2264) | 508,000円 | 自社製品 |
コマツ(6301) | 527,250円 | ミニチュア |
ダイドードリンコ(2590) | 537,000円 | 自社製品 |
マツモトキヨシHD(3088) | 554,000円 | 商品券 |
ソフトバンク(9984) | 554,800円 | 割引優待 |
壱番屋(7630) | 580,000円 | お食事券 |
日清食品(2897) | 604,000円 | 自社製品 |
オリエンタルランド(4661) | 736,600円 | TDL入場券 |
コロワイド(7616) | 855,000円 | 優待ポイント |
明治HD(2269) | 927,000円 | 自社製品 |
(2016年1月17日作成)
一度は耳にしたことがある日本を代表する有名企業が勢揃いしていますが、ピックアップした10社すべてで何らかの株主優待が設定されています。
たとえば、個人投資家から人気の優待銘柄コロワイド(7616)では、500株を保有する株主に対して1万円相当の優待ポイントが付与されます。
この優待ポイントは年4回付与されますので、1年間保有することで合計4万円分の優待ポイントを獲得できます。
これを優待利回りとして計算してみます。
(4万円分の優待ポイント÷最低必要額855,000円)×100=優待利回り4.67%
先にあげましたが、配当金の高利回り目安は3.0%でしたから、その数値を大きく上回る4.67%の優待利回りは注目に値します。
4万円分の優待ポイントは、コロワイド系列店舗だけでなく、コロワイド傘下のアトム系列店舗(ステーキ宮など)やカッパ・クリエイト系列店舗(100円均一のかっぱ寿司など)で利用できます。
優待が利用できる場所が多いのも、コロワイド株主優待の特徴です。
こうした優待利回りが高い銘柄で、株主優待内容そのものも充実している銘柄を狙って投資するのが一つの選択肢になります。
資金100万円の人におすすめの証券会社
実際に100万円を元手に株を買うとき、必要になるのが証券口座です。証券会社で口座開設をしなければ、いくらお金があっても株投資はできません。取引コストに直結する取引手数料が安い証券会社を紹介します。
50万円から100万円以下の株を買うならライブスター証券
50万円以下の株または100万円以下の株を買うなら、ライブスター証券がおすすめです。
おすすめの理由は、取引手数料が最安だからです。
証券各社には、1取引ごとに手数料がかかる「ワンショットコース」と、1日内ならば何回取引しても手数料定額の「1日定額プラン」の2種類の手数料コースがあります。
この2つのタイプの手数料プランを見ると、50万円以下または100万円以下の取引手数料において、ライブスター証券の手数料が最安です。
まずは、ワンショットコースの手数料一覧をご覧ください。
ワンショット手数料(税抜) | ||
---|---|---|
証券会社 | 50万円以下 | 100万円以下 |
ライブスター証券 | 180円 | 340円 |
カブドットコム証券 | 250円 | 990円 |
SBI証券 | 272円 | 487円 |
岡三オンライン証券 | 350円 | 600円 |
マネックス証券 | 450円 | 1,500円 |
松井証券 | – | – |
(2016年1月17日作成)
ご覧の通り、50万円以下の株または100万円以下の株の取引いずれの場合にも、取引手数料は最安となっています。
次に、1日定額プランの取引手数料を比較してみます。
定額プラン手数料(税抜) | ||
---|---|---|
証券会社 | 50万円以下 | 100万円以下 |
ライブスター証券 | 400円 | 600円 |
SBI証券 | 429円 | 762円 |
岡三オンライン証券 | 500円 | 800円 |
松井証券 | 500円 | 1,000円 |
マネックス証券 | 2,500円 | 2,500円 |
カブドットコム証券 | – | – |
(2016年1月17日作成)
以上の通り、1日定額プランにおいてもライブスター証券の取引手数料が最安を提示しています。
ワンショット取引手数料における最安2番手「カブドットコム証券」とライブスター証券を簡単に比較してみます。
たとえば、1カ月に10回(買いと売りの合計数)、50万円以下の株を売買したとします。ライブスター証券における取引手数料の合計額が1,800円であるのに対し、カブドットコム証券の場合は2,500円です。
その差額が700円になりますから、手数料の面で考えるとライブスター証券が有利です。50万円以上の株式の購入を検討しているなら、ライブスター証券の口座開設がおすすめです。
10万円以下の株を買うなら松井証券とライブスター証券を併用
100万円を元手に株取引する場合でも、時には10万円以下の低額株を買うことがあると思います。10万円以下の低額株を買うなら、松井証券がおすすめです。
以下、定額プランの取引手数料比較表をご覧ください。
定額プラン手数料(税抜) | |
---|---|
証券会社 | 10万円以下 |
松井証券 | 0円 |
SBI証券 | 96円 |
岡三オンライン証券 | 99円 |
ライブスター証券 | 400円 |
マネックス証券 | 2,500円 |
カブドットコム証券 | – |
(2016年1月17日作成)
10万円以下の取引ならば、松井証券の取引手数料は0円です。1日内で何回取引しても手数料が無料なのです。
50万円~100万円以下の株を買う場合はライブスター証券がお得ですが、10万円以下の取引に限っては松井証券が有利なのは明らかです。
ならば、資金を10万円と90万円に分けて、10万円以下の株は松井証券で、90万円以下の株はライブスター証券で買う、という手法を取ることができます。
それぞれの取引価格帯で手数料最安を提示するライブスター証券と松井証券の両方で口座開設し、2つの証券口座を併用することをおすすめします。