株初心者のための移動平均線活用方法

移動平均線は、株式の売買タイミングをはかるテクニカル指標の代表的なものであり、他のテクニカル指標の基礎となるものでもあります。移動平均線は理解がしやすく初心者から上級者まで多くの投資家に利用されています。

移動平均線とは

株の売買タイミングをはかるためのテクニカル分析の中でも、代表的なものが今回ご紹介する移動平均線というテクニカル指標です。

移動平均線は、当日から遡ったある一定期間の終値の平均値をつなげたものです。その作成方法は非常にシンプルで、たとえば一定期間を5日に設定した場合(この場合の移動平均線を5日移動平均線と呼びます)、当日から5日前まで遡ってその終値を合計して5で割るという計算をします。

移動平均線はネット証券などインターネットで利用できるチャートのほとんどで利用できるテクニカル指標で、多くの人に認識されているテクニカル指標なだけに、その有用性は高いといえます。

移動平均線の計算方法

最初に、移動平均線の計算方法について知っておきましょう(ここでは、5日移動平均線の計算方法を説明しますが、期間を変えてもその計算方法は同じです)。

ある株式の7日分の終値が以下の通りだったと仮定します。

日付 曜日 終値
6月1日 500円
6月2日 510円
6月3日 520円
6月4日 515円
6月5日 525円
6月8日 530円
6月9日 532円

5日移動平均線は、当日より5日遡った終値を平均した数値なので、この場合6月5日の終値が出て初めて移動平均線を作成できます。

6月5日の移動平均線は、6月1日~6月5日の終値を足して、5で割った数値となります。
6月1日(500円)+6月2日(510円)+6月3日(520円)+6月4日(515円)+6月5日(525円)÷5=514円

6月8日と、6月9日の移動平均線も計算してみます。

6月2日(510円)+6月3日(520円)+6月4日(515円)+6月5日(525円)+6月8日(530円)÷5=520円
6月3日(520円)+6月4日(515円)+6月5日(525円)+6月8日(530円)+6月9日(532円)÷5=524.4円

これをつなげていくことを繰り返して、移動平均線はできあがります。

5日移動平均線

移動平均線の代表的な種類

移動平均線は、一定期間の設定次第で、無数に数値の異なる線を作成することができます。ここでは、その内代表的なものをご紹介します。また、一定期間の取り方以外にも、1日1日の終値を平均する日足のものと、1週間ごとの終値を平均する週足のものなどがあります。

5日移動平均線(日足)

5日移動平均線は、当日より5日間遡った終値を平均したものをつなげたもので、短期線とも呼ばれます。直近の終値を参照することにより、短期的な株価の動きを確認するのに役立ちます。

25日移動平均線(日足)

25日移動平均線は、当日より25日間遡った終値を平均したものをつなげたもので、中期線とも呼ばれます。25日移動平均線では中期的な株価の流れを確認することができます。

25日移動平均線とスイングトレード

スイングトレードとは、数日間~数週間で売買を済ませる方法です。1日で売買を完結させるデイトレと比べると中期的な売買で、25日移動平均線はスイングトレードでもよく利用されます。

75日移動平均線(日足)

75日移動平均線は、当日より75日間遡った終値を平均したものをつなげたもので、長期線とも呼ばれます。

週足や分足もある

移動平均線には、より長期的な指標として13週移動平均線や26週移動平均線など、週ごとの終値を参照するものや、主に1日で売買を完結させるデイトレに利用される5分移動平均線もあります。

移動平均線の活用方法

移動平均線の活用方法として、主に3つの方法があります。

移動平均線と株価の位置関係でトレンドを把握する

移動平均線とは、設定した期間の株価の平均値をつなぎ合わせたものです。移動平均線のもっとも簡単な利用方法は、移動平均線より株価が上にあれば現在の株価は買われている、逆に、移動平均線より株価が下にあれば現在の株価は売られている、というように、移動平均線と株価の位置関係で現在のトレンドを把握することです。

移動平均乖離率

移動平均線から株価が離れすぎると、株価は移動平均線に近付く動きをすることがあります。

移動平均乖離率

上記のチャートは25日移動平均線を表示していますが、株価が移動平均線より離れると、移動平均線に近付くように動いていることが分かります。

短期と長期の移動平均線を組み合わせる

移動平均線を利用して売買のタイミングをはかる方法として、複数の移動平均線を組み合わせる方法があります。

ゴールデンクロス

ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を抜いた時に、株価が上昇傾向にあると判断する方法です。以下のチャートでは5日移動平均線(緑)と25日移動平均線(紫)を組み合わせています。

ゴールデンクロス

チャートの右側では、25日移動平均線(長期)を、5日移動平均線(短期)が抜いたゴールデンクロスが見られますが、ゴールデンクロスの後は株価が上昇していることが分かります。

ゴールデンクロスの少し前で購入する

チャートの左側でもゴールデンクロスが見られますが、こちらはゴールデンクロス後下降しているように、万全ではありません。移動平均線は理解しやすく、初心者からプロまで多くの人が利用するテクニカル指標なので、単に「ゴールデンクロスしたから買う」では遅すぎるのです。

プロはゴールデンクロスの前からゴールデンクロスを見越して仕込むため、初心者はゴールデンクロスしてから慌てて購入してもすでに遅く、その後、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に割り込むデッドクロスとなり、ここでも初心者は慌てて売却するため、株価はますます下がります。

このチャートの左側において、ゴールデンクロスの少し前で株を購入し、ゴールデンクロスの後で売却。デッドクロスの前空売りを仕掛けておけば大きな利益が得られたことが分かります。

加重移動平均を使う

先ほどのチャートでは、ゴールデンクロスしたところで株を購入すると遅すぎる可能性があることが分かりました。これは、プロと初心者では判断のタイミングが違うという説明もできるのですが、一方で、ただの移動平均線では株価の反応が反映されるのが遅いということも原因として挙げられます。

その欠点を補う方法として、加重移動平均線を利用する方法があります。

加重移動平均線

加重移動平均とは、単純移動平均と比べて、より直近の株価の動きにウェイトを置いた方法です。上記のチャートは、先ほどと同じ銘柄を5日加重移動平均線と、25日加重移動平均線であらわしたものです。

上記チャートのように加重移動平均線を見ていれば、ゴールデンクロスしたところで株を購入しても充分に利益を得られた可能性があることが分かります。

加重移動平均線は、(5×当日終値+4×前日終値+3×2日前終値+2×3日前終値+1×4日前終値)÷(5+4+3+2+1)という式で計算することができます。

移動平均線の応用

今回ご紹介した方法以外にも、移動平均線にはさまざまな使用方法があり、また他のテクニカル指標の元となっている場合もあります。移動平均線の計算方法や、期間の取り方、代表的な活用方法をしっかりとマスターして、今後の応用に役立てましょう。

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