株の成行(成り行き)注文の買い方

株を購入・売却していくうえで気になるのは、「成行(成り行き)注文」「指値注文」のどちらで売買を行えばいいかということです。

今回の記事ではそれらの違いについて見ていくとともに、成行注文に焦点をあてて、その利点や欠点、使うべきタイミングなどについて見ていくことにしましょう。

成行注文とは

そもそも「成行注文」とは一体何なのでしょうか。

読んで字のごとく”値段を指定する”、「指値注文」に対して、”値段を指定しない”のが「成行注文」です。

成行注文の例としてひとつの例を考えてみましょう。

現在の株価が500円、売買注文が並べられている「板」での最安値売り値が501円、最高値買い値が499円だとします。この時成行での買い注文を出すと501円、成行での売り注文を出すと499円で買えます。

株での注文方法はこのように大きく分けて指値と成行の2つに分類され、それぞれメリットとデメリットを兼ね揃えています。

成行注文のメリット

好きな値段で銘柄を売買できる指値注文と比較して、成行注文のメリットは欲しい銘柄をすぐ買える点にあります。

たとえば今現在800円の株を買おうと思っていたとします。

もう少し値が下がったとき(自分の欲しい、指定した値段)に買うか、それとも値が上がり続けるのを見越して今すぐ買うかべきか悩むはずです。前者が指値注文、後者が成行注文の考え方ですが、もし株が値上がりし続けたら指値の買いは成立しません。

それに対し買いの成行注文を行った場合、売買注文が並んでいる売りの「板」において、今自分が買える最安値で売買をすぐ行うため、買い約定を今すぐ行うことができます。

売りの場合も同様です。

「今すぐこの株を売却したい」という時に成行注文を使えば、買いの場合と同じく買い板における最高値で、売り注文を出すことができます。

指値注文に対して「売買取引の約定」を今すぐ行えるのが成行注文のメリットで、これから値が上がると分かっている銘柄に対して使うと効果的です。

成行注文のデメリット

成行注文のデメリットは、予想した価格と離れた値段で約定する可能性があることです。

特に売買注文が並んでいる「板」において、最安値売り値と最高値買い値の間に大きな差がある場合や、株価が激しく動いている銘柄は、思いも寄らぬ高値で取引を行う可能性があります。

このため成行注文を行う場合には、前持ってトレードの計画を立てておく必要があるでしょう。

決して値が上がり続けているからと言って、取引計画をたてずに成行注文を焦って行ってはいけません。感情的なトレ―ドは思いもよらぬ損失を生む可能性があるためです。

成行注文の2つの効果的なタイミング

ここまで成行注文のメリットとデメリットについて見てきました。以下では、メリット、デメリットを復習しつつ、成行注文を行う2つの効果的なタイミングについて例を挙げてみました。

①株価が上がると分かっているタイミングで使う

買いの成行注文を使うタイミングとして、「株価が上がると分かっているタイミングで使う」というのがあります。秒単位で売買が行われている株式取引において、今すぐ買いを入れることで利益を出せる値段というのが存在するのです。

「株価が上がると分かっているタイミング」は、企業のニュースやIR(投資家向けに行う企業の広報活動のこと)が出た瞬間になります。

たとえば、バイオベンチャーの会社が取引時間中に「新たな薬の開発に成功した」というニュースを出せば、その銘柄にとって好材料であるのは誰の目から見ても明らかです。そのため、値段は下がることなく上昇し続けることが予想されます。

その場合、下の値段で指値注文を入れていた場合は約定できませんよね。

「売買取引の約定」のスピードを重視し、今すぐ約定を行えるのが成行注文ですから、このような場合に買いの成行注文を使うと効果的です。

②自分の持っていた銘柄が、損切りポイントを下回った時

効果的に「買い」の成行注文を行う①の場合に対し、今回は「売り」の成行注文についてです。
株式取引において勝利を重ねていくために「ルールの徹底」は重要であり、その中でも損切り注文を出せるかがリスク管理の面において最も大事になってきます。

通常「この株が○○円以下になったら注文を行う」という逆指値注文で売りを入れている方が多いですが、時と場合によっては手動で損切りの成行注文を行うこともあります。

そのような時に損を覚悟で成行注文を出せるか、これがトレードの上達にも必要になってきます。

成行と指値の使い分け

さて、ここまで成行注文と指値注文のメリットデメリットや、それを使うタイミングについて見てきましたが、使い分けはどのようにすればいいのでしょうか?

トレードにおいて「感情を排して、機械的にトレードをする」ことは重要ですから、初心者の方はそれを行ってくれる指値注文を買いでも売りでも使っていくのがよいでしょう。適正な売買価格が分からず、成行注文を適当に使ってしまうと、思わぬ高値で買いを入れてしまったり、損切りを機械的にすることができず損を積み上げてしまったりすることがあるためです。

指値注文は約定前に「この値段で買い、この値段で売る(利益確定をする、損切りをする)」というトレードプランに基づいた売買を行うことができるため、想定以上の損をすることが少なくなります。

それに対し成行注文を行えるのは売買のタイミングが掴めるようになってきた方のみです。

前述したような効果的・行うべきタイミングで成行注文を上手く行えるようになると利益を上手く出せるようになってきます。

値が激しく動くデイトレードにおいて、成行注文を使うタイミングは多く見受けられます。

ただし経験に基づいた瞬発的な判断が必要になりますから、上にも書いた通り初心者の方やトレードプランが上手く立てられない方は、まずは指値で取引に慣れていくのが良いでしょう。

成行注文でも約定しないとき(約定しなかったときの取引の流れも)

「今すぐ売買約定を入れる」成行注文でも、約定ができない場合があります。それが「取引時間外に取引する場合」と「株価がストップ気配(ストップ高、ストップ安)をつけている場合」です。

取引時間内かどうか

成行で注文を出したとしても、9:00~11:30、12:30~15:00でない場合、つまり取引時間外であれば当然のことながら今すぐ売買を行うことはできません。翌営業日(翌日)の取引時間中、最も早い時間である「寄り」のときにその注文は成されることになります。

ただし、SBI証券PTS取引(夜間取引)を利用すれば、取引時間外での取引が可能です。別ページにまとめていますので、そちらをご覧ください。

>> 株の取引時間とPTS取引についてはこちら

ストップ高とストップ安

また、その日の値幅制限いっぱいであるストップ(ストップ高、ストップ安)の値をつけており、「特買い」「特売り」状態になっている場合も成行注文が約定しない場合があります。

この「特買い」「特売り」状態の場合には、板に”特”という文字が表示されています。

買いと売りの売買需給が一致せず、どちらかの数がもう一方を大きく上回っていた場合に起きる状況です。たとえば、ある銘柄がストップ安になり、ストップ安の値段での売りの数が50万株(特売り状態)、それに対し買いの数が5万株のような場合は、売り注文が明らかに買い注文を上回っており値がつきません。

ストップ安で売りたい人が多すぎるため、もっと値段が下がらないと買いと売りのバランスが同じにならないためです。

このようにストップ気配をつけて約定が行われなかった場合、翌営業日(翌日)の制限値幅で売買が行われることになります。需給が一致する値段をつけないと、成行注文でも約定をすることはできません。

>> 指値注文の詳細はこちら

>> 逆指値注文の詳細はこちら

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