株を割安と判断する基本的な考え方

割安な株を買い、それを長期保有するやり方で一番有名な投資家はウォーレンバッフェットになると思います。このバッフェットの投資方法をバリュー投資と呼んでその支持者は全世界に広がっています。

このバリュー投資の基本は安い割安な株を買い、高くなり過ぎている株を手じまい、信用、先物取引等新規で売るという手法で何も難しいことを言っているわけではありません。これは、株式投資に限らずあらゆる商売の基本中の基本です。

自分の考えと、株式投資の考え方は違う!

このバリュー投資で一番難しいことは、自分が買おうと思っている株式が割安なのか、割高なのかという判断基準になると思います。

自分自身がいくら割安と思っていても世間が割高と考えているようであればその株は買ってはいけない株になります。つまり、自分がいくら割安と考えようとも世間がこの株が割高で考えていた場合は圧倒的確率でその株は売られる可能性が高いということになります。

しかし、自分の見方が正しく、世間の見方が間違っている場合は一攫千金のチャンスになると思います。

ですから、自分の見方が人間は正しいと思いがちになりますが、この株式投資の世界では自分の考え方が世間ずれをしていないかを確認し、修正する方向に常に持っていく努力をしなければいけません。

バリュー投資の弱点

安い株を誰よりも安い値段で買うのは儲けるための全世界での一般的常識です。しかし、バッフェットでさえ儲からない時代がありました。今は経済的見地からも、常識的判断を兼ね備えて割安株の判断をしても大きな怪我はないと思いますが、いくら株式投資の大家バッフェットでも不遇を囲った時代がありました。

その時期をずばりいえば、バブル時代です。記憶に新しいことをいえば、ITバブルやリーマンショック前のサブプライムバブル時代にバッフェットは全くといっても過言ではないほど儲かっていません。

つまり、今の時代のように大恐慌から景気循環が立ち直りつつある時代にはこのバリュー投資は最も有効な株式投資の方法論になりますが、バブル時代には全く役に立たない代物に豹変します。

割安割高の判断を誤ったタイガーファンド

たとえば、ITバブル時代に投資顧問を閉鎖したタイガーファンドという世界有数のファンドがありました。日本で有名になったのは住友商事の銅不正取引やパラジウムの溶け合い相場になります。この運営者はバリュー投資というよりも、バッフェットをライバルと考えていましたのでバリュー投資は採用していません。しかし、ウォール街ではナンバー1ファンドと時代の寵児でした。

このファンドの運用も根本の考えは一緒です。先の銅取引にしても貴金属のパラジウムにしても割安、割高を計算して長期の投資を行ったのにすぎません。その結果が、大きな利益とウォール街での絶大な信用でした。

このファンドが閉鎖をした理由というのは簡単で、時代がバブルに突入したときに今まで割高だった株がいきなり割安になったのです。当然、タイガーが今までの経験値で割高な株を売り割安な株を買うのですが、世間では、割高な株を割安として買い、割安な株を魅力がない株として放置をするのです。そこで、運用成績が落ち込み、運用できない状態になり閉鎖を余儀なくされたのです。

割安な株は世間が判断する

このように、割安な株を買うというのは世界共通の商い、ディールにも関わらず、割安の基準がいきなり豹変をすることがあるのです。ですから、割安な株と判断をするのは世間であって絶対に自分ではない、と肝に銘じるべきなのですが、バッフェットやタイガーにしても自分の基準や成功体験によっての基準で投資をしたので、世間が誰でも買えば儲かる状況のときに指をくわえて眺めていなければいけない状況になるのです。

あなたにとって、割安な基準というのは自分の考えではなく、世間の基準もみていなければいけないものになります。

近江商人の教訓

昔から、近江商人は商売、商いをするときには、必ず、売り方よし、買い方よし、世間よし、と3つの確認をしてから商いを行ったそうです。売り方には売り方のロジックがあり、買い方もしかりです。

しかし、それに加えてこの商売、商いを行った場合には世間の評価も気にしなければいけない、という格言、教訓でもあります。

つまり、みなさんが割安な株を買いたい、見つけたい、判断したい、と思うことは多々あると思いますが、売り方、買い方のロジック、考え方を理解するのは当たり前の話として、世間の考えも判断の基準にしないと、あなたが割安と判断した株式投資は失敗する可能性が高いということになります。

商売、商い、ディール、取引する場合の世界共通の基本は安いものを買うのが基本です。これが基本だと思いこんで、時代の判断が割安なのに割高だと思い取引を見送る投資家が世間にはいっぱいます。有名な投資家でさえもこういう風になるのですから、あなたがなっても当然だと思います。

しかし、「割安という判断は時代、世間によっていくらでも変わる」ということはいつでも肝に銘じておきたいものです。