株価が変動する要因

株式投資は、安い時に買って、高い時に売ることで利益が手に入ります。株価の変動要因には会社の業績や投資家の思惑、国内の経済情勢や為替の影響などさまざまなものがあります。利益を得ようとすれば、今後上昇する見込みのある株式を見つけるために数ある変動要因を複合的に分析することが必要です。今回は、これら株価変動の要因や仕組みの基礎知識をお伝えします。

株価の変動要因とその仕組み

株価の変動要因にはどのようなものがあり、その仕組みはどのようになっているのでしょうか。

株価変動の基本は需要と供給の関係

株価が変動する仕組みの基本は、需要と供給の関係で説明をすることができます。将来その銘柄の株価が上昇すると思い購入したいと思う人と、逆に株価が下がると思い売却したいと思う人との交換価格が株価です。購入したいと思う人が多ければ株価は上がり、売却したいと思う人が多ければ株価は下がります。

株価の変動要因の基本は需要と供給の関係

株価は買いと売りの両方があって初めて決まります。これは、通常の商品売買と同じです。

たとえば、多くの野菜を仕入れて店頭に並べたところで、その野菜を買いたいと思う人(=需要数)が野菜の数(=供給数)よりも少なければ、野菜の価格は安くなります。逆に不作で野菜を少ししか仕入れることができなくて、かつその野菜を買いたいと思う人(需要数)が野菜の数(供給数)よりも多ければ野菜の価格は高くなります。

野菜を買いたいと思う人(需要数) 野菜の数(供給数) 野菜の価格
供給数より多い 需要数より少ない 高くなる
供給数より少ない 需要数より多い 安くなる

また、ブランドものの果物など、同じ果物でも高い価格が設定されているものがあります。これは、味が良かったり品質が保証されていたりして人気があるため高い価格でも売れるのです。

このブランドものの果物を株に例えると、良い商品を持っていて将来の業績に期待が持てたり、為替が円安に動いている時の輸出企業であったりするといえます。

逆に、海外産の果物など安価に販売することを目的に商品化されているものは、同じ果物より安い価格設定がされていたとしても、品質が悪いなどの理由で需要が供給数を増えることはなく、安い価格のままです。

これを株に例えると、長く良い商品開発を出来ておらず、売上高の伸びも少ない企業のようなものだといえます。

業績が良い企業も、悪い企業も変動する

業績が良い企業でも、買われ続けると株価が上昇しますが、次は利益確定したいと思う投資家が売りに出すため、あるところで株価は止まり、それが重なると急落することもあります。逆に業績が悪い企業の場合、売られ続けると株価は下降しますが、今後の上昇を見越して買っておこうと思う投資家の登場により、あるところで株価は止まり場合によっては急上昇することもあります。

このように株価は投資家の思惑によって変動するため、買われすぎていないか、売られすぎていないか、といった視点で業績と株価の関係を見ることが大切です。

企業の業績に応じて変動

株価は企業の業績に応じて変動します。とはいえ、現在の業績はすでに株価に反映されていることが多く、どちらかというとその企業の将来の業績に応じて変動するといった方が正しいでしょう。決算発表の結果が前期より良かったとしても、それが予想通りの結果であれば株価の上昇は少ないです。一方、決算発表の結果が予想を上回る結果であれば株価の上昇要因となります。

株価に大きな影響を与える会社の利益

株式会社の使命は利益を出すことです。投資家は利益を多く出す企業に出資したいと考えます。この理由を、設立間もないベンチャー企業の株価を例にして考えてみましょう。

会社の立ち上げ当初は信頼もなく、商品を売るノウハウも確立されておらず、大きな利益を出すのが難しいです。そのため特に立ち上げ当初の株式会社の株価は下がる傾向にあります。

たとえば、300万円の資本金で会社を設立して10株を発行したとします。この時の1株あたりの株価は300万円÷10株=30万円です。資本金が300万円なので、この会社の預金通帳には300万円の現金が入金されていることになります。

会社を起ち上げると事務所を借りたり、パソコンやデスクを用意したり、従業員を雇ったり、商品を開発したりといったさまざまな経費が発生します。このような経費を支払っても売上はなかなか上がりません。そうこうしているうちに半年間が経過して、売上のないまま経費ばかり使ってしまい、預金通帳に入っているお金が100万円になったとしましょう。

この時の1株あたりの株価は100万円÷10株=10万円に減ってしまいます。今後業績が上がらなければ会社は潰れてしまうでしょう。そうなると、最初に30万円の価値があった株式は紙切れとなってしまいます。ここで、出資者の中には株式を売却したいと考える人が現れます。10万円で売ってしまえば損失を20万円に留めることができるからです。

ところが、この半年間で新規開拓をしていたこの会社は、その後の半年間で多くの売上を上げることができ、結果として1,000万円の利益を出すことができました。仮に30%の法人税を支払ったとしても、1,000万円×(1-0.3)=700万円が手元に残ります。もともと預金通帳にあった100万円と足し合わせると800万円の現金があることになります。

この時の1株の株価は800万円÷10株=80万円になります。最初に30万円で出資して、持ち続けていれば80万円-30万円=50万円の儲けを出すことができたことになります。

規模の大きな上場企業になるともっと話は複雑になりますが、会社の業績が株価に影響を与える仕組みは上記のように考えられます。

経済や為替による4つの変動

株価は経済全体の状況や、株価によっても変動します。一般に景気が良くなると株価にプラス要因となりますし、輸出を多く行っている企業は円安時に業績が良くなると予想され、逆に円高時には業績が悪くなると予想されます。輸入を多く行う企業であればその逆の予想がされ、その予想に沿って株価の変動要因となります。経済や為替による株価の変動要因には、主に以下の4つがあります。

①金利

一般的に金利の上昇で株価は下がり、金利の下落で株価は上がります。これは、預金金利が上がれば株式に投資しているよりも銀行に預金している方が良いと投資家が判断することでも説明できますし、金利が上がれば企業が銀行から資金調達するための金利も高くなり、資金調達しづらくなるということからも説明ができます。

金利 ⤴上昇 ⤵下落
株価 ⤵下落 ⤴上昇

②為替

輸出の多い企業では円安になると株価の上昇要因となり、輸入の多い企業では円高になると株価の上昇要因となります。日本は輸出に強い企業が多く、円安になると全体の株価が上昇するといわれています。

為替 円安 円高
輸出企業 ⤴上昇 ⤵下落
輸入企業 ⤵下落 ⤴上昇

③災害や戦争など

地震や台風など災害で株価が影響を受けることがあります。たとえば、災害で工場が壊れるとか、流通ルートが確保できないといった情報が流れるとその企業の株価の下降要因となることがあります。

④国内外の景気

国内の景気が良くなれば、株価の上昇要因となります。また国内の景気だけでなく国外の景気も株価に大きな影響を及ぼします。たとえば、中国や米国で大きな経済問題が起これば安全資産として円が選ばれ、株価の上昇要因となることがあります。

株価が変動する時間

株価は証券取引所が空いている時間帯にしか取引がなされず、取引がなされなければ変動することはありません。つまり、株価が変動する時間は証券取引所が空いている時間帯となります。

東京証券取引所 前場 後場
9:00~11:30 12:30~15:00

この内、特に前場終了時と後場終了時には注文が入り乱れ、株価が大きく変動することがあります。

ネット証券を利用すればほぼ24時間取引可能

証券取引所が空いている時間は上記の時間だけになりますがネット証券を利用すれば上記の時間以外にも取引が可能です。とはいえ、基本的には次の証券取引所が空く日の最初に取引が成立させられるため、時間外の注文では株価の変動は起こりません。

PTS(私設取引システム)取引

PTS(私設取引システム)とは、証券取引所が空いている時間帯以外にも取引できる、証券会社独自のシステムのことです。SBI証券で利用できるPTSはデイタイム(8:20~16:00)とナイトタイム(19:00~23:59)に分かれています。PTSは利用している証券会社内の顧客同士でリアルタイムに株取引を行うシステムで、通常の取引と同様に株価の変動が起こります。

>> 株の取引時間とPTS取引(夜間取引)の詳細はこちらから

株価の変動要因を見つける

株価の変動要因としては会社の業績や経済状況などさまざまなものがありますが、それらはすでに株価に織り込まれている場合がほとんどです。投資初心者としては、こうした変動要因の基礎知識を一通り身につけた上で、どれか一つでも自分の得意なものを身につけ、他の投資家が気づいていない要因を見つけることを目指しましょう。

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