株のスクリーニング

スクリーニングとは取引の対象銘柄を決めるために、配当利回りなどの条件を設定してそれに合致する銘柄に絞り込むことをいいます。株式投資は日本株だけをとっても数千銘柄にもなります。ひとつひとつ検討していくことは限りある時間の中では難しいものです。検索条件を設定して条件に合わない銘柄ふるい分けすることで、購入する銘柄の候補を絞ろうということです。

スクリーニングを実施すると配当利回りを上位から並べてくれるので、一気に銘柄の選別が進みます。このように、投資に対する時間コストを劇的に向上させてくれるスクリーニングが投資をする上で必須の技術となります。

業績などの分析を重視したい投資家はファンダメンタルズ指標に特化すればいいですし、業績よりも値動きのパターンなどで利益獲得を目指す投資家はテクニカル指標をスクリーニングの中心に据えると良いでしょう。

スクリーニングする方法

目的の銘柄を絞り込むスクリーニングは、各証券会社のウェブサイトや利用料金無料のフリーソフトで利用することができます。まずは、検索条件を設定する必要があり、市場や業種、投資金額、配当利回り、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資金利益率)、時価総額、1日平均の売買代金などの条件から設定することができます。

スクリーニングによる割安株の見つけ方

スクリーニングは安く買って高く売る、という投資の王道を行くための道しるべとなるものです。スクリーニングのアプローチは業績重視のファンダメンタルズ重視派のスクリーニングか、テクニカル重視派のスクリーニングかによってアプローチが変わってきます。

ファンダメンタルズ重視のスクリーニング

ファンダメンタルズを重視する投資家で確認しておきたい指標は①PERと②PBRです。両者は昔から使われてきた指標です。長い間使われ続けているということは、時の試練に耐えて生き残ってきた指標として今なお最重要な指標といえます。

この二つの指標が割安のサインを出しているときに買っておけば長期的には報われる投資になることでしょう。まずは、PER、PBRの意味をつかみましょう。

PERとは株価収益率のことで、1株あたりの利益に対して何倍まで株価が買われているかを表したものです。言葉の意味は簡単に抑えておくとして、「PERが10倍を下回ったら割安のサイン」という程度に覚えておいてください。

PBRとは株価純資産倍率のことで、1株あたりの純資産に対して株価が何倍まで買われているかを表したものです。覚えておきたいのは「PBRが1倍を割り込んだら割安」ということです。

少なくともこの二つの指標についてはファンダメンタルズ重視派のスクリーニングには必須の指標となります。

ちなみに、割安の指標がどんな時に現れるかというと、バブル崩壊後に多くの銘柄が割安サインを出します。バブル崩壊となった株式市場では業績を維持し続けている有料会社の株も、他の株につられる形で売られ、株価も安くなってしまいます。こうした中で業績を維持している会社は、株が安くなっている分だけ割安感が増してくるのです。

テクニカル重視派のスクリーニング

テクニカル重視派のスクリーニングは様々なものがあります。ファンダメンタルズ重視派のスクリーニング指標は業績発表などが無いと変動はしませんが、テクニカル重視派のスクリーニング指標は日々動いています。極端に言えば毎秒動いているともいえるので注意が必要です。

テクニカル指標で基本的なスクリーニング指標は「移動平均線」が最も基本的なものです。
移動平均線はテクニカル分析の基本中の基本の指標です。もちろん、その指標に素直に従うかは個々の判断になりますが、これを無視した投資は基本から外れるものです。

ただ、移動平均線のみを使用して取引を組み立てると、なかなか精度の高い投資を行うことができません。移動平均線という基本をベースにいくつかの指標を組み合わせて投資の精度を上げていく作業が重要です。

スクリーニングの検証結果は大事な資産になる

スクリーニングによって割安株となりそうな銘柄を絞り込めたら、実際に自分の資金を使って投資することが大切です。自分の資金を使ってスクリーニングの結果を検証することは、バーチャルで検証することとは全然違います。

バーチャルでは自分の資金を失うというプレッシャーがないため、落ち着いた判断ができるものです。しかし、実際に自分の資金を投入することとなれば様々な心の葛藤の中で判断せざるを得なくなります。

そうした心の葛藤の中で下した判断がどのような結果になったのか、もっと別の投資判断を組み立てることができたのではないか、など繰り返し検証しましょう。その検証結果は将来何度も見返すことで投資の精度を上げていくことに繋がります。検証結果は大事な資産として投資活動に役立てましょう。

スクリーニングが充実のおすすめ証券会社

スクリーニングを実践するにあたって多くの証券会社の提供しているサービスでどれを選んだらいいか、迷ったら以下の3社を比較検討してみてください。主だった特徴をまとめてみました。

カブドットコム証券

カブドットコム証券個人投資家に向けて「逆指値」の取引ができるサービスを提供した最初のネット証券です。その先進的な姿勢はいまでも維持されていて、個人投資家から最も支持されているスクリーニングツールの提供会社といえるでしょう。

カブドットコム証券はシステム投資にも力を入れていて、独自の開発チームを自社内で抱えるなど、システムの構築力は群を抜いているといわれています。

  • スクリーニングの種類が150種類以上とネット証券では最多
  • クリックのみで手軽な操作が可能
  • アナリストの視点から独自のスクリーニングテンプレートがある

SBI証券

SBI証券のスクリーニング機能は、QuantsResearch社のクォンツ(金融工学)機能を提供しています。クォンツとは、統計的・計量的方法や科学的な方法を駆使して、株式の分析や評価を行うことをいいます。最新の金融工学が用いられており、成長性スコアや割安性スコア、市場トレンドスコアなどを判断することができます。

  • テクニカル重視派の要望にも応えられるきめ細かいビジュアル
  • PER・PBRの最大値や最小値を設定できるなどこだわり抜いた条件設定が可能
  • 上級者向けのスクリーニングツールとしてチャート形状の設定まで可能

マネックス証券

マネックス証券のスクリーニング機能もカブドットコム証券やSBI証券に劣らず優秀なツールです。まずは、あれこれ手を出さずひとつのツールを使い倒してみましょう。

  • ファンダメンタルズ重視派のスクリーニング
  • 株主優待の有無について分かりやすい表示
  • スクリーニング条件の保存ができる(意外に対応しているところは少ない)

スクリーニングを使用するにあたって気をつけたいこと

スクリーニングの指標は非常にたくさんのものが出ています。証券会社によって調整されている機能もあり、千差万別です。スクリーニングの世界は非常に奥が深く、極めようとしてもなかなか極められるものではありません。

我々個人投資家は、投資対象を絞り込むためにスクリーニングを利用するのであって、取引の結果利益に結びつかなければ意味がありません。スクリーニングの指標を非常によく知っている投資家を見かけますが、それ自体に意味があるわけでなく、あくまで投資実績をあげることが目的であることを忘れないようにしてください。

どんなにエレガントな指標を編み出してスクリーニングしてみても、市場で結果が出なければ改善する必要があります。場合によっては利益を生まない指標は捨てていくといった思い切りも必要だといえます。