ミニ株で始める株式投資

「老後の資金を蓄えるため」あるいは「日々の生活の足しにしたい」などの理由で、株式投資を始めたいと考えている人は多いと思います。

株式投資を始めるためには、まず証券口座にある程度まとまったお金を用意する必要がありますが、「ミニ株」というサービスを利用すれば、最初にまとまったお金を用意する必要もなく、小額の資金から株式投資が始められ、これまで株式投資の経験がない初心者でも気軽に始めることができます。

今回はこの「ミニ株」について詳しくご紹介していきます。

ミニ株とは

ミニ株とは、株式を取引する際の売買単位である単元株数以下の単位で取引できるサービスのことです。

株式の取引は銘柄ごとに決められた単位(1単元)の整数倍での株数によって売買されますが、ミニ株は単元株数の1/10単位から取引することが可能で、単元株を小分けにして買うことができるサービスです。

ミニ株の4つのメリット

ミニ株最大のメリットは、少額から始められることです。

たとえば、単元株数が100株で株価が1,000円の銘柄を取引する場合、通常であれば単元株数100株×株価1,000円=10万円の資金が必要ですが、ミニ株であれば単元株数10株×株価1,000円=1万円の資金で取引することが可能です。

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この他にも、ミニ株には以下のようなメリットがあります。

人気銘柄を買うことができる

マーケットで人気があり、値段が高くなってしまい手が出なかった銘柄でも、ミニ株であれば通常の1/10の値段で買うことが可能で、これまで高くて買えなかったような人気銘柄も買うことができます。

複数銘柄を買うことができる

投資資金が足りずに、これまで複数の銘柄を買うことができなかった場合でも、ミニ株であれば同じ投資資金で複数の銘柄を買うことも可能になります。

リスクを分散できる

複数の銘柄に分散投資することで、株価変動リスクを抑えることができます。1つの銘柄に資金を集中するのではなく、複数の銘柄に分散投資すれば、たとえ1つの銘柄が値下がりした場合でも他の銘柄の値上がりでカバーすることができ、リスクの低減が図れます。

また売買タイミングについても、一気に資金を投入するのではなく買うタイミングを分けることにより、時間分散の効果が働いて高値掴みのリスクも軽減することができます。このような投資方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれています。

配当金を受け取ることができる

ミニ株を注文すると、注文を受けた証券会社が市場で単元株を購入し、そのうちの一部がミニ株の分として割り当てられます。購入した株式の名義は証券会社名義となりますが、配当金は持ち分に応じて証券会社から受け取ることができます。

ミニ株の4つのデメリット

ミニ株のデメリットは、取引できる証券会社が限られていることです。

ミニ株のサービスを利用できる証券会社は、野村証券、大和証券、SMBC日興証券などの大手証券会社に限られ、どの証券会社でもミニ株のサービスを利用できるわけではありません。

また、証券会社ごとにミニ株で購入できる対象銘柄が決められており、すべての銘柄がミニ株で購入できるわけではありません。

この他にも、ミニ株には以下のようなデメリットがあります。

取引に成約がある

ミニ株の取引は基本的に成行注文のみで、指値注文ができません。また注文を出した翌営業日の寄り付きの価格で売買成立となり、注文を出した時点ではいくらで約定するかわからないため、株価状況を見ながら機動的に売買することが難しく、ベストな売買タイミングを逃してしまう可能性があります。

手数料が割高である

ミニ株では単元株数の1/10単位で取引することができますが、手数料も1/10になるわけではありません。むしろ通常の取引よりも手数料が割高に設定されているため、小額のミニ株を取引する場合、ある程度値幅を取って売買しないと手数料負けしてしまいます。

株主優待を受けられない

一部の企業で、単元株未満の株主にも株主優待を実施していますが(端株優待制度)、ほとんどの企業が単元株を保有している株主に対してのみ株主優待を実施しており、ミニ株を保有しているだけでは株主優待を受けることはできません。

議決権を行使できない

単元未満の株には議決権がなく、ミニ株で単元未満株を購入し保有していても、株主総会などの決議に参加することはできません。

ミニ株を取り扱う証券会社

ミニ株は、証券会社にとってシステム導入や運用でコストがかかるサービスのため、取り扱う証券会社は一部の大手証券会社に限られています。

現在ミニ株を取り扱っている証券会社は以下の通りです。

証券会社 名称 特徴
野村ネット&コール まめ株 大手証券会社で唯一、単元株数にかかわらず1株単位から取引可能。
投資対象銘柄は、東証1部・2部・JASDAQ、名証1部・2部の上場銘柄のうち、(売買単位が1株の銘柄、ETF、REIT等を除く国内の全銘柄 。
00:00~10:30までの注文は、当日の後場始値で約定。それ以外の注文は翌営業日の前場始値で約定。
SMBC日興証券 株式ミニ投資 単元株数の1/10単位から取引可能。
投資対象銘柄は、東証1部・2部・JASDAQ、名証1部・2部の上場銘柄のうち同社が選定する銘柄。
05:00~翌02:00までの注文は、受付終了後、最初に可能となる取引日の約定。
大和証券 株式ミニ投資 単元株数の1/10単位から取引可能。
投資対象銘柄は、東証1部・2部・JASDAQ、名証1部・2部の上場銘柄のうち同社が選定する銘柄。
06:00~24:00の注文は、翌営業日の前場始値で約定。

ミニ株は、証券会社にとってコストがかかるサービスですが、一方で個人投資家のミニ株に対するニーズは高く、ネット証券ではこのニーズに対応するためにミニ株をさらに利用しやすく改善した「単元未満株取引サービス」を展開しています。

ミニ株が単元株数の1/10単位から取引できるのに対し、単元未満株取引サービスでは単元株数にかかわらず1株単位から取引できます(野村証券のまめ株は1株単位から取引可能)。

厳密に言うと、単元未満株取引サービスはミニ株とは対照銘柄、取引ルール等が違うため全く別のサービスとなりますが、ここでは便宜上、単元未満株取引サービスもミニ株の一種として説明します。

なお、単元未満株取引サービスを展開しているネット証券は以下の通りです。

証券会社 名称 特徴
SBI証券 S株 1株単位から取引可能。
投資対象銘柄は、国内市場に上場する全銘柄
(一部売却のみ可能な銘柄あり)
00:00~10:30までの注文は、当日の後場始値で約定。
15:30~21:30までの注文は、翌営業日の前場始値で約定。
21:30~23:59までの注文は、翌営業日の後場始値で約定。
マネックス証券 ワン株 1株単位から取引可能。
投資対象銘柄は、国内市場に上場する全銘柄
(売買単位が1株の銘柄、ETF、REIT等を除く)
00:00~11:30までの注文は、当日の後場始値で約定。
15:30~23:59までの注文は、翌営業日の後場始値で約定。
カブドットコム証券 プチ株 1株単位から取引可能。
投資対象銘柄は、国内市場に上場する全銘柄
(売買単位が1株の銘柄、ETF、REIT等を除く)
00:01~10:00までの注文は、当日の後場始値で約定。
10:01~23:00までの注文は、翌営業日の前場始値で約定。
23:01~24:00までの注文は、翌営業日の後場始値で約定。

ミニ株の手数料

それでは最後に、ミニ株の手数料について見てみましょう。

証券会社 名称 売買手数料
野村ネット&コール まめ株 電話 約定代金×1.404% 最低手数料:2,160円
ネット 約定代金×0.864% 最低手数料:108円
SMBC日興証券 株式ミニ投資 約定代金×2.484% 最低手数料:1,080円
大和証券 株式ミニ投資 1売買単位の株式委託手数料×株式ミニ投資売買株数÷1売買単位株数 
SBI証券 S株 最低手数料:540円
マネックス証券 ワン株 約定代金×0.500% 最低手数料:50円
カブドットコム証券 プチ株 約定代金×0.500% 最低手数料:48円

表を見てわかるように、大手証券のミニ株に比べてネット証券の単元未満株取引の手数料の方が断然安くなっています。

「証券会社のセールスマンから投資に関する情報やアドバイスがほしい」など、特別な理由がない限り、大手証券を利用するメリットはほとんどありません。

対象銘柄数や取引のしやすさ、そして手数料などを総合的に判断すると、これから株式投資を始める初心者はネット証券の単元未満株取引サービスを利用するのが良いでしょう。

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