株で生活する方法を考える

株式投資を始める動機は、将来の生活への不安に備えたい、今よりも楽しい生活を送りたいなどいろいろありますが、目的はただ1つ、たくさんのお金を稼ぎ、株で優雅な生活を送ることではないでしょうか。

もしも、あなたがサラリーマンで会社に不満を感じているのであれば、煩わしい人間関係に左右されない株を憧れの目で見てしまうことでしょう。

しかし、株式投資は大きな利益を得られる反面、損をすることもあります。株で生活する夢をかなえるため、必要な知識について説明します。

株で生活できるかどうか

副業でも専業でも株式投資を考える場合、そもそも株で生活できるかどうかを考えなければなりません。つまり、株で得た利益だけで生活費を賄えるかどうかが重要なポイントです。

2015年の総務省「家計調査」のデータによると、勤労者世帯のうち2人以上の世帯の消費支出は、全国平均で月々31.5万円がかかっています。また、同データで、単身世帯のうち勤労者世帯の消費支出は全国平均で月々17.8万円がかかっています。

月々の消費支出を元に年間の消費支出を計算すると、以下の表のようになります。

1人 2人 3人 4人 5人
消費支出(月) 17.8万円 28.3万円 31.4万円 32.7万円 34.2万円
消費支出(年) 213.6万円 339.2万円 376.6万円 392.2万円 410.0万円

世帯の人数や世帯収入の状況で上下はしますが、大体以上の生活費が必要になってくる訳です。株での生活を考えると、生活費を上回る利益を毎年稼がなければなりません。

『株式投資の未来(ジェレミー・シーゲル著)』によると、いつの時代も年率で6~7%程度のリターンが得られるといわれています。仮に年率7%のリターンが毎年得られると仮定すると、生活費を稼ぐための軍資金は以下の式で求められます。

余剰資金=生活費÷7%

世帯の人数別に必要な軍資金を見積もってみました。

1人 2人 3人 4人 5人
必要な軍資金 3051.4万円 4845.7万円 5380.0万円 5602.9万円 5857.1万円

株のみで生活するには、独身であれば少なくとも3000万円程度、結婚して家族が増えれば5000万円程度の軍資金が必要になるということです。一軒家を購入できるだけの金額をあらかじめ貯めなければならない点で、非現実的であるといえるでしょう。

資産運用としての株式投資

株の利益のみでの生活は難しいことがわかりました。

そこで、目的を資産運用に捉えなおしてみましょう。ゆうちょ銀行や三大メガバンクの定期預金は0.01%の年利に留まるのに対し、株式投資は平均約7%の年利と、およそ700倍のリターンを誇ります。

株式投資での損は避けられないことですが、手堅い投資先として株式を選ぶのは悪い選択肢ではありません。

最低50万円の余裕資金は欲しい

現在、5万円以内で購入できる株式は約600社。10万円以内で購入できるのは約1,400社。20万円以内は約2,400社。50万円以内は約3,300社あります(株価は変動するので会社数は変動します)。株式が購入できる会社数は約3,500社なので50万円以内の資金があれば、ほぼ購入したいと思う会社の株式が購入できます。

株式投資ではリスクを分散するために複数の株式に投資するのが一般的です。そのため、最低でも3社程度の分散投資が望ましいです。株価の安い株式投資を行えば、10万円で分散投資も可能ですが、安く購入できる株式は業績が悪い会社が多いので、できれば、最低でも50万円の余裕資金が欲しいところです。

株式の売買を余裕資金で行う場合、少額からの投資になることがほとんどです。資金別の少額投資方法を以下のページでまとめていますのでご覧ください。

>> 株を少額投資から始めてみる

株式投資を始めるにあたっての3つの重要なこと

株式投資を始める前に知っておくべき重要ことは、以下の3つです。

余裕資金で行うこと

余裕資金で投資を行うことが重要です。余裕資金とは、最悪、ゼロになっても生活に支障が生じないお金のことです。

株式投資では一時的な損失が必ず発生するので、必要なお金だと、損失が発生すると取り返そうと思って冷静な判断ができなくなります。実際、株式投資はギャンブルの要素がありますが、他の投資とは違い冷静な投資ができれば損をする確率を限りなく小さくできます。

損失の発生は避けられないので損切りができること

株式投資では、常に利益を出すことはプロの投資家でも不可能です。損失が出ているときでも株を売却する損切りができないと、損失が大きくなり株式投資を継続できなくなります。実際に株式投資をすると、損切りが難しいことが実感できます。人間は損失を出すことを心理的に嫌い、損失を取り戻そうとするからです。

株価は上がったり下がったりを繰り返すので、再び上がるだろうと期待して持ち続けます。その結果、損切りができないで損を拡大させる人がたくさんいます。買値から10%あるいは、15%下がったら売却するというルールを作り、確実に実行できる決断力が必要です。

同様に株価が上がると、もっと上がるだろうと期待して売却できないのも人間心理です。こちらは、損失が出ていないので問題は小さいですが、損失と同様にある時点で利益を確定させて売却するという決断ができないと、そのうち株価が下がって利益が出なくなります。

投資スタンス、投資行動を確立すること

株式投資では稼ぎたい目標金額、利益を出したい期間は毎月なのか、年単位でも良いのかという投資期間、投資できる金額などによって、選ぶ株式や投資方法、投資スタイルが異なります。自分なりの投資スタンス、投資行動を確立しないと、情報に振り回されて、利益を上げる株式投資ができなくなります。

株式投資で稼ぐ3つの方法とは

株式投資では、以下の3つ方法で稼げます。

売買の差額で稼ぐ

株式売買では、2014年度に最も株価が安いときと高いときに購入・売却し、最大で8倍以上になった株式があります。このように大きな利益を稼げますが、高値で購入してその後、大きく下がった株式もあり、リスクの大きな投資方法です。

なお、2014年度の最安値と最高値の差が20%以上ある株式は約600あります。最安値で購入し、最高値で売却することは不可能なので、いかに年間で20%以上の利益を出すのが難しいかがわかります。

配当金で稼ぐ

年に1度、株の権利確定日に配られる配当金というものがあります。現在の銀行預金金利を大きく上回る1%以上の利回りの配当金を出す株式が2,500以上あり、もっとも高い会社は5%以上となっています(2016年1月現在)。

ただし、短期投資では、1%以上の株価の値下がりは必ず起こるので、その場合は配当金をもらえても利益はなくなります。安定した株価の株式に長期投資することで、銀行金利以上の利回りが期待できます。

株主優待を楽しむ(稼ぐ)

株式全体の3分の1の株式で株主優待が楽しめます。

株主優待といえば、元将棋棋士の「桐谷広人 七段」が有名です。桐谷さんは株主優待を使いこなす個人投資家として「月曜から夜ふかし」などの番組で紹介されています。株主優待の利用のために自転車で激走する姿はあまりにも有名ですよね。

配当金には税金がかかりますが、こちらには税金がかからないメリットもあります。

しかし、金券ショップで換金できないような株主優待もあり、稼ぐ目的よりも楽しむことをメインにした方が良い方法です。億をこえる株式投資ができると、配当金と併せて稼ぐことで株主優待をメインにした投資もできます。

4つの株式投資スタイル

「売買の差額で稼ぐ方法」では、売買を行う期間の違いによって以下の4つの投資スタイルがあります。投資スタイルよって、選ぶ株の銘柄やどのような情報を重視して選ぶかなどが株式投資の方法が変わります。

  1. 数時間から1日単位のデイトレード
  2. 数日間単位のスイングトレード
  3. 数週間から数カ月単位のポジショントレードの短期投資
  4. 数カ月以上の長期投資

老後に必要な生活資金

経済の低迷、年金問題、非正規社員の増加など老後が不安になる中、「老後破綻」「下流老人」「老後難民」などの用語がマスコミで踊り不安を増加させています。そのため、老後資金のために株式投資をするという人は多いことでしょう。

余裕のある老後生活を送る金額は、夫婦2人で約30万円/月といわれています。

60歳で退職して夫婦2人で20年間生きるとすると、必要な資金は約7,200万円(=30万円×20年×12カ月)になります。この金額を基準に、自分の退職金、年金の受給額、貯金額など予測し、持ち家の有無など生活資金に大きな影響のある費用を考慮して不足金額を計算します。もし、その金額が2,000万円であったとしたら、現在30歳なら30年で、40歳なら20年で2,000万円を稼ぐための株式投資計画が必要です。

大切なことは、長期的な視野で株式投資を行うのか、あるいは、毎月、自由にできるお金を稼ぎたいのか、その金額はいくらなのかなどをしっかり決めてから株式投資を行うことです。

株式投資で稼ぐための知っておきたい投資スタンスとは

投資スタンスとは、まず、最初に稼ぎたい目標金額を決めます。次にその金額をどの程度の期間で稼ぐのかを決めます。そして、株式投資で稼げる3つの方法のうち、どの方法を重視して株式投資を行うのか、また株式に関する情報(データ)のどれを活用すればよいかを考えることです。

投資スタンスによって投資金額が変わる

株に投資できる金額に余裕があれば、稼ぎたい金額を、たとえば月間で5万円なのか、年間で60万円なのかを先に決めます。月間で5万円と年間で60万円は、結果的には同じ金額ですが、毎月コンスタントに5万円稼ぐのと年間で60万円稼ぐのでは投資スタンスが変わります。前者は短期投資で後者は長期投資になり、選ぶ株式が変わってきます。

また、株式売買で稼ぐのか、配当金で稼ぐのかによって、必要資金が異なってきます。配当金で稼ぐには、利回りが3%であれば、約2500万円の投資金額が必要となります。

株式売買では、年間で平均して2割の利益があげられれば極めて優秀な投資実績なので、年間で60万円を稼ぐには約400万円の投資金額が計算上で必要になります。ただし、投資金額が少ないと購入できる株式の銘柄数が限られます。また予想以上に下がったり、上ったりするときに追加投資を行う必要があることから、少なくとも2倍から3倍の約1,000万円は必要です。

月間で5万円を稼ぐ場合は、1カ月単位で平均して3%の利益が出るように株式売買が行えれば、必要な資金は約200万円強です。1年間で稼ぐ場合と同様に、2倍程度の資金があると余裕をもって利益を上げやすい投資が可能です。月間で稼ぐ場合には、配当金で稼ぐ方法は適しません。

株式投資に回せる余裕資金が、50万円の場合は、5年以上10年期間での長期投資で利益を稼ぐようにします。仮に年間で20%の利益をあげられれば、その利益を株式投資に回していくことで、10年で約6倍にできます。投資金額が少ないと、得られる利益も小さいので、無理をしてリスクの大きな投資にならないように注意しなければなりません。

株式投資は実践することが重要

株式投資は、スポーツと同じでどうすれば稼げるかを書籍やインターネットで調べても決して稼げるようにはなりません。実際に行って、失敗や成功を経験することでのみ上達できます。基本的な知識は必要ですが、それを生かせるのは実践でしかできません。

どういう理由で株式を選び購入を決断したか。どういう理由で売却した結果、利益または損失がいくら発生したのかを記録して、それを経験として蓄積していくことで、失敗を避け成功する確率を高められます。漠然と雑誌やインターネットの情報で決めていては成功する確率を高くできません。理由のはっきりした経験を積むことがとても重要です。スポーツでもたくさん練習した人しか勝てないと同様です。

>> 株取引のためには証券口座開設が必要

成功・失敗の理由を経験として積み上げていくこと

株で稼ぎ、株で生活するための必要最低限の方法について紹介しました。株式投資で成功するには、基本的な知識を持ち、それを実践で行って、その結果として成功・失敗の理由を経験として積み上げていくことが成功への鍵です。

Sponsored Link