株の情報収集と活用方法

株式投資で利益をあげるには、安いときに株を買い、高くなってから売らなければなりません。これを実行できるには、株価がこれ以上は安くならないだろうと判断して購入しなければなりません。あるいは、高い株価と思われても、さらにそれ以上高くなる可能性があると判断できれば購入しても利益をあげられます。

このタイミングを的確に判断するには、さまざまな情報を収集して分析をしなければ、正しい購入時期かどうかの判断ができません。勘に頼ったり、ただ漠然と購入をすすめる情報を頼ったりして購入しては、利益をコンスタントに上げられるようには決してなりません。

そこで、株式投資で利益をあげるには、どのような情報を収集し、どのように活用すれば良いかについて説明します。

株式投資のための収集できる情報の信頼性について

インターネットの普及で、今は株式投資に関連する情報は、簡単にたくさん集められます。それらの情報のなかには有益な情報もたくさん含まれていますが、無責任で無益な情報、あるいは有害な情報も有益な情報以上にあふれています。そのため、情報収集にあたっては、信頼できる情報か、価値のある情報なのか、しっかりと見極めなければなりません。

特に、この株を購入すれば、利益が出るように書かれている情報を無条件に信用して、株式投資を行っても利益をあげることは決してできません。それは有料で提供される情報であっても同じです。株式投資の初心者にとって、この株は利益が出るという情報は魅力的ですが、その情報が信用できるか、できないかは簡単に判断できません。したがって、最初は、そのような情報をいきなり利用しないようにしましょう。

株の経験には検証が必要

株式投資で失敗が続くと、この株なら利益が出るという情報を頼って、株式投資を行いたくなります。そのような情報を利用して株式投資を行うと、自分で考えて株価が上がるかどうかの判断をしません。株式投資で利益をあげられるようになるために、もっとも大切なことは自分で判断して株式投資をするという経験(練習)を積むことなのですが、それができないことになります。

この株なら利益が出るという複数の情報を比較して判断しているという人もいるかもしれません。しかし、それは経験(練習)を積んだことにはなりません。判断するときに「何となくこちらの情報が信用できそうだ」ではなく、なぜこちらの株価が上がるのかの理由を比較して、少なくともその理由に納得して、結果がどうであったかを検証しなければ、経験(練習)を積んだことになったといえません。

スポーツの世界で天才と呼ばれるような人でも、練習をたくさんしない限り一流にはなっていません。コーチなどに指導を受けていますが、それを自分の力にしているのは、その選手一人ひとりが自分で工夫した経験(練習)があるからです。同じように株式投資でも、利益をあげられるようになるには、自分で考えて判断する経験とそれを自分の知識にするための検証がたくさん必要です。

有益な価値がある情報とは

価値のない情報もインターネット上にあふれているなか、どのような情報は有益な情報といえるのでしょうか?

信頼できる情報は、官公庁や信用できる新聞社や証券会社などの企業が発表している指標などの数字データの情報。および、企業自身が発表しているその企業の決算内容や事業計画、決算の見通しなどです。

なお、官公庁でなくても、信頼できる数字を利用して株価や決算内容を分析している情報は信用できる情報発信元である場合は信頼できます。ただし、株価の動きは、株式投資の専門家であっても的中させられないので、信頼できる情報であっても、株価が必ず上がるというわけではありません。

株価に影響を与える情報とは

では、株式投資のために必要な情報で官公庁や企業が発表している数字や情報には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか? それを知るには、株価に影響を与えるさまざまな要因を知る必要があります。

要因は、株式マーケット全体に影響を与える要因個別の株価に影響を与える要因の大きく2つに分けられます。株式マーケット全体に与える要因は、「マーケット全体要因」または「マクロ要因」あるいは「外部要因」などと呼ばれます。一方、個別の株式の株価に影響を与える要因は、「個別要因」または「ミクロ要因」あるいは「内部要因」などと呼ばれます。以下では、2つの要因について詳しく見ていきます。

マーケット全体要因

マーケット全体要因には、「為替レート」「金利」「貿易収支」「失業率」「GDP(国内総生産)」「景気の動向」「海外証券市場の動向」などの経済関連の指標・情報があります。これらの指標の数字が変動することで、株式マーケット全体に影響を与えます。

また、「国内外の政治情勢」「外国機関投資家の動向」「国内外の影響力の大きい人物の金融政策など株価に影響する発言」「大きな災害」「長期間の異常気象」「オリンピックなどの大規模なイベント」「季節需要」などの経済関連以外の動向や出来事も株価全体に影響を与えます。

個別要因

個別要因には、企業の売上、利益などの「企業業績」がもっとも株価に大きな影響を与えます。そのほか「企業の経営力(ブランド力、技術開発力など)や将来性など」「企業買収」「配当」「増資・減資」「株式分割」「画期的な新商品や新技術の開発」などの情報が発表されるその企業の株価に影響を与えます。

株価への影響を知るために収集すべき具体的な情報

株価に影響を与える要因から必要な情報が分かります。

マーケット全体要因から必要な情報

マーケット全体要因から必要な情報には、経済関連の情報である公定歩合、為替レート、消費者物価上昇率、失業率、経済成長率、国際収支、景気動向指数、GDP、設備投資金額、住宅投資、公共投資、日銀短観など多くの指標があります。

また、国内だけに限らず、海外、特にアメリカの雇用統計(失業率・非農業部門雇用者数など)、小売売上高、ISM製造業景況指数・ISM非製造業景況指数、FOMC政策金利、GDPなども重要な指標です。

経済関連以外の情報は、経済関連の指標のように定期的には発表されません。政治や金融・経済・社会ニュースなど、どのようなニュースがどのように株価に影響するのかアンテナを高くして、素早く反応できるようになる必要があります。

個別要因から必要な情報とは

個々の企業の業績は決算書を見て財務分析をすることで分かります。決算書の数字を用いた財務分析を行い数年間の推移を見ることで、その企業の収益性、安全性、成長性などの傾向がわかります。また、同業他社と比較することで、その企業の強みや弱みが分かります。

「企業買収」「配当」「増資・減資」「株式分割」「画期的な新商品や新技術の開発」などは、決算書のほか、ニュースリリースや新聞、テレビ、雑誌などのニュース記事などから知ることができます。また、技術力やブランド力などを総合した経営力は業界シェアで推測できます。

「マーケット全体要因から必要な情報とは」でも少し触れましたが、マーケット全体要因のニュースよりも、個別要因のニュースの方が株価に大きく影響します。アンテナを高くして、素早く反応できるようにするほか、ニュースから色々な連想ができるようになると値上がりする株を見つけ出せるようになります。どのようなニュースで、どの株に影響が出たのかなどを経験して積み上げていくようにすると、いろいろなニュースに関して感度が鋭く的確になっていきます。

たとえば、「今年の夏は猛暑」というニュースが流れたとした場合、「多くの人がエアコンを必要とする、あるいはビールを飲みたくなる」と考えられます。その結果、「エアコンやビールが売れるとどんな企業にメリットがあるか」と、いろいろなニュースについて連想できることが大切です。過去のニュースについて、どのようなニュースにどのような株がどのように動いたかをいろいろ調べてみると連想のヒントにできます。

信用できる情報の入手先の一覧

情報は、具体的には以下のサイトや書籍などから収集できます。そのほか、テレビやラジオのニュースや信頼できる雑誌記事からも収集できます。

WEBサイト

WEBサイトから情報を入手する場合、以下のWEBサイトを利用すると良いでしょう。

Yahoo!ファイナンス

Yahoo!ファイナンスでは、株価に関連したニュースや個別企業の過去から現在までの株価推移データなどさまざま情報が提供されています。

日経電子版

日経電子版では、個別の株価情報よりも国内外のマーケット全体のトレンドに関する情報のほか、個別企業に関連したニュースが提供されています。

東洋経済オンライン

東洋経済オンラインでは、個別企業や業界などに関するコラムなどが提供されています。

ブルームバーグ、ロイター

ブルームバーグロイターでは、世界の金融やマーケットの情報が提供されています。

日本取引所グループ

日本取引所グループでは、株式マーケットのニュースや情報が提供されています。

証券各社ホームページ(SBI証券、ライブスター証券、カブドットコム証券など)

SBI証券などの各証券会社のホームページでは、顧客を獲得して売上を伸ばすための手段となるため、いろいろ有益な情報を提供しています。

内閣府

内閣府では、GDP、個人消費、設備投資、住宅投資、公共投資、輸出・輸入・国際収支、生産・出荷・在庫、企業収益・業況判断・倒産、雇用、物価、金融などの情報元へのリンクが記載されています。

日経プレミアムチャート

日経プレミアムチャートでは、各企業の株価のチャートが提供されています。

各企業の投資家向け(IR)ページ

決算書や各企業が投資家向けに情報を発信しています。
各企業のIR情報を一覧で見たい場合は東証の「適時開示情報閲覧サービス」が便利です。

書籍

書籍から情報を入手する場合は、会社四季報を利用すると良いでしょう。

会社四季報(東洋経済新報社)

事業内容や業績の見通し・業績推移、配当、キャッシュフロー、株価の動き(チャート)、自社株買いや増資などの情報がコンパクトなページのなかに凝縮されて書かれています。年4回発刊されます。インターネットのサイトから有料で見ることも可能です。

多くの情報のなかで押さえておくべき4つの基本情報

株式投資に関する情報は、たくさんあり過ぎて情報を集めても、その情報をどのように利用すれば良いのか株式投資の初心者は使いこなせません。そこで、株価は基本的には業績に連動することから、必要最低限の情報(指標)として、投資スタンスに関係なく以下の4つの指標は常に意識することをおすすめします。

EPS(1株あたり利益)

当期純利益を発行済み株式数で割って得られる指標です。EPSの数値が上がると株価は上がる傾向があります。株価の割安感を見る指標です。

PER(株価収益率)

PER(株価収益率)とは株価を1株当たりの利益(EPS)で割って得られる指標です。この指標は、株価が高すぎないかの割高感を見ることに使われます。

PBR (株価純資産倍率)

PBR(株価純資産倍率)とは、株価を1株あたり株主資本で割って得られる指標です。1株当たり株主資本とは、純資産(株主資本)を発行済み株式数で割った数値です。PBRが1を下回ると、株価が上がってくる可能性が高まります。

ROE(自己資本利益率)

ROE(自己資本利益率)とは、1株あたりの利益(EPS)を1株あたりの株主資本で割った得られる指標です。ROEは、株主から集めた資金を企業がどれだけ効率よく使って利益を上げたかを示す指標です。株価に大きな影響を与える外国投資家が重要視する指標です。高い数値であるほど、株価は上がる可能性があります。

なお、これらの指標から、株価が上がるという可能性が期待できても、必ずしも株価が上がるとはいえません。そのほかの情報と組み合わせて判断することで、上がる株を選ぶ確率を高められるようになります。これらの指標は、決算書から計算できますが、上述したサイトや書籍から企業別に確認できます。

投資スタンスで異なる情報

株式投資をどのような投資スタンスで行うかによって、重視しなければならない情報が異なります。投資スタンスには以下の通り、たくさんあります。

どのようなスタンスを取るかによって、重要視しなければならない情報が異なります。これは情報収集の仕方にも関わってきます。全て説明できませんが、たとえば、長期投資であれば、企業や景気のファンダメンタル分析に必要な指標を主に集めることになります。ファンダメンタルとは、国の経済成長率や物価上昇率、財政収支などの経済的な指標のことで、企業であれば、売上高や成長率などの業績や資産、負債などの財務的な指標のことです。この場合、株価にチャートから得られるテクニカル分析の指標は無視できませんが、補助的な情報として利用することになります。

情報の収集と活用は投資スタンスで使い分ける

株式投資で利益を得るための情報収集は信頼できる情報を利用すること。情報を利用した理由を明確にして、その結果を検証すること。情報の収集と活用は投資スタンスで使い分けることが重要なことを説明しました。

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