株式投資にありがちな失敗と失敗しない方法

株式投資は、成功して何億円という大金を手にする人がいる一方、簡単に損失を出す人もいます。自分が行う投資のリスクとリターンのバランスを把握し、失敗しない取引をするためにはどうすればよいでしょうか。失敗談などからそれを回避するための方法を探り、紹介します。

株式投資における3つの失敗談

まずは、過去に先人が投資に失敗して損失を出してしまった実例を見てみましょう。

①仕手株で損するケース

「何日も物凄い勢いで暴騰し続けている株があったので試しに買ってみたところ、その後は数日ストップ安をつけて、売買が自由にできるようになった時には株価が半値以下になっていた」という話があります。

ほとんど売買がなく注目されていなかったような銘柄が、何のニュースもないままに急騰し、一日で数十パーセント、短期間で数倍に値上がりすることがあります。株価が二ケタのいわゆる低位株が多いですが、特定の投資家(集団)が値を吊り上げ、ある程度の水準になると一気に売り抜けて暴落させるケースがあります。これを仕手株といいます。

仕手は非合法な株価操縦のため、後になって捜査が入り逮捕者が出る場合がありますが、急騰相場の最中はそういった事情はさておき市場の注目や資金が集中して、株価が乱高下しながら上がっていくものです。仕手に限らず、急騰銘柄は売買高が増え流動性が増していること自体が株価の上昇材料として扱われるのです。

そして、頼みの流動性が失われた銘柄からはあっという間に資金が引き上げられ、株価はお祭りの前の水準を保っていればいいというほど下落してしまうケースがほとんどです。仕手株で上昇の勢いに乗せられて高値で株をつかまされた場合、含み損が早期のうちに回復することはほとんどありません。

②コツコツドカンで損してしまうケース

「含み損が拡大していくばかりの銘柄を『いつかは株価が戻るはず』と保有を続けているうちに、ついには半値になってしまい、耐えられなくなってロスカット、大損してしまった。他の銘柄で取り返そうとしても、少し含み益が発生すると利益確定を焦ってしまうため、損が埋まらない」という体験談を聞きました。

少しずつ積み重ねた利益を一度の大損で吹き飛ばすことを「コツコツドカン」といいますが、こうした言葉ができるくらい多くの方がする失敗ともいえます。

買いを入れたポイントから「上がるはず」と想定していた株価がその通りの動きをしないということは、マーケットと自分の判断がずれているということに他なりません。間違いを認めるのはつらいことですが、うまいトレーダーはそういった局面があれば、そのトレードにこだわらずに早い段階で損切り(ロスカット)を行い、次のチャンスを探すといいます。

マーケットは自分のポジションに都合のいいように動きません。含み損のポジションを引っ張らないように心がけて、コツコツドカンの反対語たる損小利大の取引を心がけましょう。

③信用取引で追証地獄、いつの間にか貯金が尽きた

「ある機械関連の会社の株を信用取引で買建てしていたら、他国の金融不安から日経平均株価が暴落、保有株も連れ安しはじめた。遠い国の出来事だし、業種的にも関係ないからそのうち株価も戻ると楽観視し、追証(おいしょう)が必要になってはその都度入金を繰り返した。そのうち虎の子の教育資金にまで手を出してしまい、大変なことになってしまった。」といった失敗談もまた、珍しいものではありません。

追証こと追加証拠金は、信用取引を行う際の保証金の最低金額(法律で最低30万円と決められています)か、建玉の含み損が膨らむことで発生します。必要金額を指定の期日までに入金できなければ建玉が強制決済されたり、その結果不足金が発生すれば改めて入金しなければならなくなったりします。その入金も手続きしないままでいると、信用口座の取引自体が停止されることもあります。

追証が発生したときは、入金するばかりではなく、その建玉を手じまいすることでも解消できます。相場は往々にして一方へオーバーシュートして動きがちですから、自分の意図と違う値動きが続くようであれば、一度ポジションを解消して、方向感が定まるのを待つことも作戦として有効です。

また、このケースでは資産管理上の問題もありました。教育資金や老後のための貯蓄など、手を付けてはいけない資金まで投資に振り分けてはいけません。追証に次ぐ追証の発生という想定外の事態が起きても、こういった取り返しのつかない間違いをしないよう、事前に確認しておきましょう。

破産や借金の可能性もある信用取引

株を買うことしかできない現物取引信用取引の買建てでは、万が一投資先企業が倒産してその株が無価値になったとしても、損失は最大でも投資額の全額と手数料等までに限定されます。ただ、信用売りのポジションについては、株価の上限が青天井であることから、理論的には損失も青天井です。

特に、時価総額の小さい銘柄では、長期で空売りの玉を保有するのはリスクが高いため、控えたほうが良いでしょう。業績の上方修正が一度入ると、数日にわたってストップ高が続き空売りの返済が困難になるなど、大型株ではほとんど起こり得ない事態が起きてしまうことがあるからです。

また、買建ての場合は証券会社から投資資金を借りるため金利がかかること、売建ての場合には株を借りることになるため、貸株料と臨時の金利である逆日歩の支払いが必要になるなど、コスト面での負担が日々発生することにも意識を払うべきです。

信用取引は、自己資金以上のリスクを取ってリターンを狙いにいくレバレッジ取引ですから、利用する際は現物取引を行う時以上に相場の動きに敏感になるべきです。ただ、ある銘柄を長期保有している最中、短期的に下落が起こりそうだということでリスクヘッジに空売りをするつなぎ売買など、信用売りができることで生み出せる利益もあります。うまく使えれば武器になることも併せて認識しておくとよいでしょう。

株式投資で失敗する人の2つの共通点

不思議なことに、どの分野でも成功者の体験談はバラエティに富んでいますが、失敗した人の体験談には共通点が多いものです。

①損切りが下手

ポジションをとってから、自分の想定通りの値動きが起きている場合はいいですが、そうはいかなかった場合、そのポジションにこだわる理由はありません。

どんないい会社の株でも、為替や紛争といった外部環境の影響で大きく値下がりすることもあります。相場と自分の動きがかみ合わない場合は、資金効率上、無駄に損失を拡大させずに損切りし、一度資金を引き揚げて別の機会を狙うほうが妥当かもしれません。

②判断がぶれる

株式売買の判断基準がぶれやすいです。

たとえば、テクニカル分析を根拠としたトレードで、サポートラインに沿って株価が上昇しているという根拠のもと買い付けたのなら、チャート上でそのラインを割ってしまうような株価推移をした場合は即座に売る判断をするのが適切です。

しかし、根拠なく「また値はラインより上に復帰するはずだ」といった考えをもったままホールド、結局だいぶ値下がりしたところで決済することになってしまったり、塩漬け株にしてしまったりという結果になり、資産を減らしてしまう投資家が大勢います。

トレードを行う当初に定めたルールはきちんと守るのがおすすめです。

株式投資で失敗しないための3つの方法

ここまで書いてきたような失敗例を踏襲しないのはもちろんのこと、株取引で失敗しないためにはいくつかの心がけを持っておくと良いかもしれません。

①休むも相場と心得る

重要なことですが、何らかの運用組織に属するような機関投資家と違い、私たち個人投資家には「株取引を休む」という選択肢があります。一度株式を保有し、積極的に売買を始めるようになると、何らかのポジションを保有していないと儲ける機会を逃してしまうのではないかと考える人もいます。ですが、100%相場の先行きが読めない場合は、運用資金を現金に戻して待機しておくのも重要な戦略です。

②会社に惚れるならとことん調べて続ける

数十年もの間、一銘柄だけにこだわって取引し、数億の資産を作っている男性の話を聞きましたが、会社の部門や製品、業績の予想と修正が出る場合のタイミングの読みなどを熟知した上で売買をしているということでした。

どこかの会社の株を買うということは、こうした熟練の方や、会社に直接足を向け調査するファンドマネージャーなどと直接対決することを、頭の片隅に入れておくべきです。

③高値で飛びつかない

相場をじっと眺めていると、勢いよく上昇し高値が付いた銘柄につい飛びついて短期で利益を上げようとしてしまうことがあるかもしれません。そのまま投機資金がどんどんと入り、上昇を続けてくれるとよいのですが、思惑通りいくことばかりではないかと思います。

熟慮のもと、ポジションを構築するタイミングを探りましょう。