株の配当について

配当とは、会社が株主に対して純利益の中から定期的に分配するお金のことを指します。一般的に配当金額は会社の利益水準によって変動するので、配当金が株価の2%を超えるような会社もあれば、ずっと配当金を出さない会社もあります。

株主がもうけるためには株価上昇によるキャピタルゲインを狙うか、配当金を定期的にもらっていくインカムゲインを狙うかのどちらかになります。

株式投資初心者の方がインカムゲインを深く知ることで、株が上昇しなくても持ち続けているだけで預貯金と比べれば長期的に大きな利益を獲得することも可能になります。配当に注目して投資することが最終的なリターンにつながるか、という点については最後に触れたいと思います。

配当をもらう上で押さえておきたい3つの日

配当金受け取りの権利は株を買っただけで直ちに権利を獲得するわけではありません。配当をもらうための権利日について、①権利確定日②権利付き最終日③権利落ち日、という3つの概念を押さえておく必要があります。

①権利確定日

配当金を獲得するには「権利確定日」に株を持っている必要があります。逆にいえば、特定の日に株を持っていれば1日で手放しても配当金を受け取ることができることになります。
たとえば、3月31日が権利の確定日だとすると、その日に株主であれば4月1日以降に株主の地位を手放しても配当金を受け取ることができます。

株を1日で手放しても数年間持っていても配当金は同じ、というのは会社への資金貢献度で公平ではないようにも見えますが、制度上はそうなっているので仕方ありません。

②権利付き最終日

権利確定日は株主として配当金をもらえる権利が確定する日ですが、その権利を確定する3営業日前に株を購入しておかなければなりません。これを権利付き最終日といいます。

3月31日が権利確定日だとしても、3月31日から3営業日前に買っておかなければなりません。3月31日からお休みをはさまなければ3月28日に買っておけば配当金を受け取る権利を獲得することができます。

繰り返しますが、会社が3月31日時点の株主に配当金等を支給するとしている場合、3営業日遡った日に株を買っておく必要があります。

③権利落ち日

権利付き最終日の翌営業日のことを権利落ち日といいます。権利落ち日に株を売ったとしても配当金受け取りの権利は失いません。

では配当金獲得のために権利付最終日だけ株を買ってすぐ売れば配当金が丸もうけでは?と思った方もいるかもしれません。

しかし、残念ながら権利付最終日は比較的株価の値が高い傾向にあり、権利落ち日の取引開始には株価が安いところから取引が開始されることが多いです。権利付最終日に買う作戦は成功しないことが多いため注意が必要です。

権利付最終日を調べる必要がありますが、現在の証券会社ではネットで調べることができるようになっています。もし、ネットで調べることができない証券会社でも直接聞けば対応してくれます。

配当利回りについて

株価に対して年間どれぐらいの割合で配当を出しているかを「配当利回り」といいます。配当利回りは、以下の式で計算することができます。

配当利回り(配当利率)=1株あたりの配当金÷株価×100

配当利回りの基準

配当利回りは年間1~2%程度出している会社は珍しくありません。順調に黒字を積み上げている会社では毎年安定して配当を出してくれるので、長期投資になればトータルリターンは大きなものになっていきます。

配当利回りが高い株は、その会社の純利益に比べて人気がそれほど高くない証拠です。人気が高くすでに株価が高くなってしまっている銘柄は配当利回りが低くなっています。

配当金は想像よりも少なく感じる

配当を出している銘柄を購入し配当金が送られてくると、「意外と少ないな」と感じられる方は多いと思います。これは投資資金が少ないため、配当金として還元される額が低くなってしまうからです。

ただ、銀行の普通預金の金利がほぼゼロであることを考えると、利回りが高いことは間違いありません。たとえば、ゆうちょ銀行や三井住友銀行の普通預金の金利が0.001%ですから、年間1~2%の配当利回りが出る株は魅力的であるといえます。

高配当株投資法

株に投資する方法のひとつとして、インカムゲインを目的として高配当株を狙う投資手法があります。

世の中の株には思わぬ高配当を実施している会社があるものです。高配当銘柄の一覧を情報提供してくれるヤフーのサイトなどを参考に高配当銘柄を確認してみてください。

あまり世の中に知られていないような会社もありますし、配当が多い理由も会社それぞれの事情があります。

配当は会社の最終利益の何割かを株主に配分するのが一般的ですから、高配当が可能な会社は一般的には業績が好調だといえます。

ただ、中には過去に好調だった業績を基準に配当を出し続けていて、業績が悪化した現在では株価が落ちたため高配当に見えるだけ、という会社もあります。

配当金や株主優待のようなインカムゲインを高く得られる銘柄は個人投資家に人気ですが、配当利回りだけを見ると目測を誤ってしまいます。高配当な上に業績も堅調な株を買うように注意しましょう。

配当にまつわる税金

配当をもらった場合には現金収入のひとつなので税金がかかってきます。確定申告を選んだ場合には総所得との兼ね合いで税率が変わってきますが、源泉徴収を選んだ場合には20.315%が徴収されます。

税金に関しては細かい規定があるので国税庁のサイトを確認してください。

株の配当を受け取った場合に確定申告が必要か不要かは1月~12月までの受取金額を合算したうえで、確定申告をすると有利であれば面倒がらずに申告しましょう。期間は2月15日~3月15日ですので、早めに準備を始めれば間に合います。

配当を目安に株を購入するときの3つのポイント

配当利回りをみると5%も配当しているような会社もあります。大規模な金融緩和が行われて銀行の預金金利も低い場合にはとても魅力的に映ります。資産の運用を株で行う場合には配当利回りで買うという選択肢も、以下の3点に気を配りながら投資をするのがよいとされています。

①配当に継続性があるか

配当には普通配当と特別配当の2種類があります。普通配当は通常は決算期末に出る配当で、特別配当は特別な利益が出たときに一時的に配当する部分だと明示して配当するものです。

特別配当分は来期も同様に配当されるか分からないので、配当利回りを基準に株の運用をするのであれば、特別配当の部分は割り引いて考える必要があります。

②配当性向に無理がないか

配当性向は、その期の純利益から配当金をどれぐらいの割合で支払っているかを表したものです。通常は20%~30%程度であり、残りは会社の内部留保として積み上げていくべきものです。

会社の内部留保はもしものときに役に立つ現金ですから、配当を重視するあまり内部留保を犠牲にするのは考えものです。配当性向100%という会社もありますが、将来を考えると良い経営判断とはいえないと評価されています。

③配当よりも大切な成長事業があるか

配当よりも大切な成長事業がある場合、企業は成長事業に人材・設備・資金を集中的に投資します。この場合、配当は後回しになることから、配当利回りは低くなってしまいます。

ただ、集中的に成長事業に注力して企業業績が好転すれば、将来的にはより大きな会社となり株価も上昇してきます。

このように、配当は企業の発展段階によって小さかったり大きくなったりします。

会社を立ち上げ始めたばかりで会社規模の拡大が優先される場合や、大型買収でその事業に資金を配分するのが得策であれば配当性向が低くても運用するに値する株といえます。

一方で成長は頭打ちだが育ててきた事業のリターンが大きいため、多額の配当ができる資金の余裕があるために配当利回りが高くなっている会社は将来性に疑問で投資に値しないかもしれません。

投資の本来の趣旨に立ち返ってみる

株式投資というのは会社が広く投資家を募り、集まった資金を事業に集中投資することで成長を加速させる役割を持っています。

会社運営には多額の資金が必要ですが、小規模な会社や起業したばかりの発展途上の会社に対して銀行は十分な資金を貸してくれないものです。

そこで、小口であっても多数の投資家が株式投資をすることで、成長を加速させるというのが本来の投資家の役割です。

配当をたくさん出せる会社というのは成長途上というよりも、成熟期に入って投資の回収の段階に入っている会社が多いものです。そうした会社が今後とも発展を望めるでしょうか。

ソフトバンクという会社は長年配当をしないことで有名な会社でした。発展途上の1990年代はもちろん、以降一流企業の仲間入りをしてからも配当よりも成長投資を優先させるという方針で経営されてきました。

今では配当を実施してはいますが、今があるのも「配当よりも成長」という方針で経営を継続してきたからこそ大型買収のチャレンジも成功したのです。

そのようなソフトバンクと対照的なのが、2%以上の配当を1990年代から実施し続けていた電力各社です。

電力会社はご存じの通り、東日本大震災で大きな痛手を受けました。しかし、それまでは銀行金利を上回る配当を長い間出してきました。配当利回りに着目して投資をしていた方々は現在、報われているとはいえません。

東日本大震災後の迷走からわかる通り、投資に値する企業かどうかは配当利回りでは測れません。あくまで、結果としてのリターンという部分で言うならば、売上・利益をいかに拡大させていくか、という点にこそ注目するのが投資の王道というものでしょう。

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