株の出来高について

出来高とは、取引が成立した注文数の合計を指します。取引が活発であれば出来高が増えてくるので、取引参加者の人気の銘柄を探すには出来高をみるのが近道です。

出来高に注目するのは、株価の動きには下記のようなサイクルがあると言われているからです。

  1. 長期下落
  2. 出来高が少なく横ばいが続く
  3. 出来高が増えてきているが横ばいがさらに続く
  4. 出来高を伴って上昇
  5. 出来高が少なくなり上昇曲線を描いていた株価も横ばいに
  6. 出来高が増えて下落が始まる
  7. 長期下落

3から4の局面を上手くつかんで利益を上げることができるために、出来高に注目されることが多いのです。

また、機関投資家と呼ばれる大口投資家は一定量以上の出来高が無い銘柄には投資することはしません。大口の投資家が買いに入っているということは、取引参加者に安心感を与え、上昇の弾みがつく要因となります。

出来高増加でわかる3つのこと

株の売買をしていると、銘柄の出来高が増加してくることがあります。実は出来高の増加で、人気のバロメーターを測ったり、株価を予測したりすることが可能です。出来高の増加でわかる3つのことを紹介します。

①出来高増加は人気のバロメーター

出来高が増えてくると大口の機関投資家のみならず、短期取引を行っているデイトレーダーが参戦してきます。デイトレーダーは頻繁に株を買ったり売ったりを繰り返します。

もし、出来高が非常に少ないと、株を売りたいときでも株を売ってくれる人がいなくなってしまうと、頻繁に取引を繰り返すデイトレードは成立しなくなってしまいます。

長期投資家から短期投資家まで参戦してくるような状況は「流動性がある」と表現されることがあります。短期投資家は流動性がある銘柄に引き寄せられる傾向があるため、短期投資家がさらに株価を押し上げてくれます。

できる投資家というのは、ひっそりと市場に参入して買いに入り、売りに回るときもひっそりと市場から去っていきます。参加者が多ければ多いほど出来高も増加して、目立たずに市場に参入し目立たずに取引を手仕舞うことができるのです。

②出来高増加は株価上昇の前触れ

長期間停滞していた株価が急に上昇してくることがあります。

長期間上昇が無かった銘柄というのは短期・中期投資家にとって魅力的に見えないことから、取引も活発になりません。こうなってしまうと、少し上昇したとしても売り抜けたい投資家が売って株価を元に戻してしまいます。

そうした状況を打破するには強固な買いが出てこなくてはなりません。少し高くなったら売り逃げようとしている株主がいる中で上昇するには、それ以上の買いが入ってこなくてはなりません。

強い買いが出てきたかどうかは出来高で判断することができるので、短期・中期投資家は出来高増加局面に狙いを定めています。

③出来高増加は株価下落の前触れ

②と矛盾するようですが、出来高増加は株価が下落する前触れでもあります。出来高は取引が成立した注文数の合計ですから、売り注文が成立した場合にも出来高は増加するのです。

業績の下方修正など悪材料が露見した際には売り注文が殺到し、出来高の増加としてその徴候が現れることがあります。判断を誤らないためには、出来高だけでなく、企業の状況やチャートを確認しながら投資判断をする必要があります。

一応の判断基準としては、安値圏で出来高が増加した時には買いシグナル、高値圏で出来高が増加した時には売りシグナルと見ることもできます。ただ、これも一面的な見方であり、総合的に投資タイミングを見極める必要があります。

出来高急増銘柄をみつけるには

出来高急増銘柄を全銘柄確認していくのは非常に手間ですので、多くの投資家はネット上のスクリーニングサービスを利用しています。スクリーニングサービスは証券会社ごとに提供されていますが、証券会社のサービスでなくても、ヤフーファイナンスで確認できます。ヤフーファイナンスでは「出来高増加率」という項目から確認することが可能です。

出来高の情報を利用して投資に生かすには

出来高の情報を投資にどのように利用するか、という点が重要です。

何らかのニュースで出来高が増えていることが多いため、証券会社のニュースサービスやヤフーファイナンスの情報で確認しておきましょう。

業績アップや新製品の発表などポジティブな情報であれば株を買う視点で検討します。逆にネガティブな情報であったら買いの対象からは外すことになります。

出来高増加の翌日に買ってみたものの株価が下落してしまったら、思惑が外れた可能性があるので投資対象から外すようにしましょう。本当に価値ある情報に反応して出来高が増えたのであれば1週間程度は上昇するはずだからです。

意外に使える価格帯別出来高

少し専門的になりますが、価格帯別出来高という指標があります。100円~199円の出来高はいくら、200円~299円の間の出来高はいくら、単位ごとに区切って棒グラフにして、過去どの価格帯の出来高が多いのかが分かるようになっています。

株価というのは売り買いの均衡しているポイントで取引が成立した値段です。出来高が多いということは、そこが売り買いのポイントだと考えていた投資家が多いということです。例えるなら綱引きで買い方と売り方の力が均衡してどちらにも動かない状態です。

もし、そのポイントを現在の株価が上回っていれば買い方の勝利ということになります。つまり、綱引きの力の均衡が崩れると一気に勝負がつくのと同じです。売り買いの力の均衡状態を測るために価格帯別出来高にも注目していきましょう。

空売り時の出来高の算定方法

株取引で収益を上げる方法のひとつに、空売りというものがあります。空売りとは、信用取引の取引手法のひとつで、証券会社から株を借りて売り、あとで同数・同銘柄を買い戻すものです。

売った銘柄を買う人がいれば取引成立となり出来高は増加しますが、買う人がいなければ出来高は増加しません。

出来高の利用で注意すべきことは

出来高は人気のバロメーターで、出来高増加に伴って株価上昇することも多いのは事実です。ただし、基本は株の価格で取引するものです。株価がメインで出来高はサブ的役割に過ぎません。

売買代金である株価の上昇が見込めなければ、出来高の増加は意味のないものです。

株は安いときに買って高いときに売る、という理想を実現するために出来高を手段として利用するにすぎません。また、出来高がいくら多くなっても常に儲かるわけではありません。
そこのところを忘れずに出来高に注目していくようにしましょう。