株の値幅制限とは

値幅制限とは証券取引所が前日の終値をベースに1日の取引価格の上限・下限を決めておくことを指します。株価は様々な情報を織り込んで動いていきますが、時として行き過ぎることがあります。こうした状況下で取引することを投機的取引と言います。投機的取引を抑制するための措置として、値幅制限という規制が定められています。

値幅制限の目的は取引参加者を冷静にさせること

本来株式市場は自由な取引をするところですから、規制が無い状態が通常です。株式市場は買いたいときに買え、売りたいときに売れることが保証されていなければ、投資家は安心して投資することができないからです。

ただし、自由があってもお金にまつわる人間の欲望は時として暴走してしまうことがあります。それが歴史的にも多くのバブルとその崩壊という繰り返しでした。今までもそうでしたし、今後も同じことが繰り返されるでしょう。そうしたことを放っておかずに、まずは冷静になりましょう、というのが値幅制限の目的です。

日本の値幅制限の制度

それでは、日本の値幅制限の制度について見ていきます。現在の日本の証券取引所(金融商品取引所)では、全ての上場銘柄に値幅制限を適用しています。

最大値幅を確認する

では、こうした値幅制限はどのように決められているのでしょうか。証券取引所は前日終値の株価を基準とした上限・下限の基準を公表しています。値幅制限は以下のようになっています。

基準株価 制限値幅
0~99円 30円
100~199円 50円
200~499円 80円
500~699円 100円
700~999円 150円
1,000~1,500円 300円

これ以上の価格も同様の制限がありますが、20~30パーセント程度といったところです。1000円の株式を1000株買っていればストップ高は1300円、1日で30万円の利益が上限となります。

連続ストップは何日まであるのか

取引の終値を基準に連続ストップ高になった記録はフィスコの18連続ストップ高、光通信の連絡20日という記録が残っています。終値ベースですので、取引時間中に取引は成立しているのですが、1か月間ストップ高やストップ安が続くのですから、そこには多くの一攫千金や破たんがあったと思われます。

このような記録は市場環境に左右された部分もありますが、最悪の事態に備える心構えをしておくという意味で心の片隅にとどめておく必要があります。

値幅制限の上限・下限に達すると比例配分される

値幅制限の上限に達することをストップ高、下限に達することをストップ安と言います。ストップ高になるということは、買い注文が売り注文を上回っている状況ですから、売りの取引はストップ高の値段で取引が成立し、買いは比例配分されます。

ストップ高の場合には、買い注文は各証券取引所のルールにのっとって、証券会社へ配分されます。証券会社に配分された株式は、今度は証券会社のルールにのっとって配分されます。

証券会社の配分の方法は各社に任されていますが、時間優先や抽選などが考えられます。大手のネット証券などでは先に注文した人から配分されることが多いようです。自分の証券会社がどのように配分するルールであるのか、事前に調べておきましょう。

海外市場の値幅制限

こうした値幅制限は日本市場だけではありませんが、各国によって規制の有無・内容はまちまちです。他の国と比較してみると、規制は様々で値幅制限があることは決してスタンダードではないということがわかります。

アメリカの値幅制限

アメリカはこうした値幅制限はありません。なんといってもアメリカは自由の国、金融規制でお金の自由な取引が制限されることを極端に嫌います。アメリカでは2001年9月11日にテロがあった翌日でも、アメリカの取引所のナスダックは市場を開きました。アメリカはそれぐらい市場の自由を重んじる国なのです。

アメリカに金融規制が少ないのには、元々の国民性の他に金融の基本的性質も関係しています。お金は国境を越えて自由に行き来しますので、規制があるとお金本来の効力が発揮できなくなるのです。金融規制のある国からはお金が逃げていく傾向があるので、アメリカは市場を開かれたものにし続けるべきだと考えているのです。

アメリカ以外の各国の制限値幅

ドイツ、イギリスはアメリカと同様値幅制限はありません。一方でシンガポールやタイなどのアジア圏では銘柄によって違いはあるものの制限値幅を設けています。金融市場として開かれている国には制限値幅は無く、ある程度の規制が残っている国には制限値幅がある、という傾向にあるようです。

値幅制限の拡大条件

値幅制限で投資家を冷静にさせる必要があるとは言うものの、それでもストップ高が続き銘柄が処分できないのは健全ではありません。株式市場は買いたいときに買え、売りたいときに売れることが保証されていないと投資家は安心して投資をすることができません。そこで、値幅制限の拡大を実施して、強制的に取引を成立させることも行われています。

ただし、値幅制限の拡大には条件があります。

次の条件のいずれかに3営業日連続で該当すること

  1. ストップ高またはストップ安となり比例配分も行われずに売買高がゼロ
  2. 売買高がゼロのまま午後の取引終了を迎え、取引終了時に限りストップ高またはストップ安で売買が成立し、かつ残注文があること

値幅制限拡大の結果、以下のような制限に変更となります。

  1. 3連続ストップ高の場合には、上限の値幅制限のみ2倍
  2. 3連続ストップ安の場合には、下限の値幅制限のみ2倍

たとえば、出来高ゼロで3連続ストップ高1000円の株価は翌日の値幅は700円~1600円となります。そして、2倍の値幅に拡大された後にストップ高またはストップ安の水準以外の株価で売買が成立すると、翌営業日からは通常の値幅制限に戻ります。

制限値幅を意識しておくことは非常に大切

前述の例で、3連続ストップ高で1000円になった銘柄の制限値幅は、700~1600円とかなり幅広いものとなります。

もし、2連続ストップ高で3日目はストップ高手前の999円で取引終了した場合は、制限値幅は上下150円です。このため、翌日は849~1049円の制限値幅となります。1円違うだけで制限値幅は大きく変わります。

3日連続ストップ高で取引終了になりそうな場合には、翌日の制限値幅を考慮しながら戦略を練る必要があります。できれば制限値幅を暗記してしまいましょう。

Sponsored Link