証券会社の選び方

株式投資を始めるためには、まず証券会社に証券口座を開設しなければなりません。

日本証券業協会が発表したデータによると、2016年3月末時点で日本証券業協会に加盟している証券会社は254社ありますが、初心者にはどの証券会社に証券口座を開設すればよいかわかりにくく、また各証券会社が独自に展開しているサービスの良し悪しを見極めるのも困難です。

そこで今回は、それぞれの特徴やサービス内容から証券会社を比較・検討し、初心者が証券会社を選ぶ際のポイントをわかりやすく紹介します。

総合証券とネット証券の違い

証券会社は大きく分けて「総合証券」「ネット証券」の2つがあります。

「総合証券」とは、金融商品取引法で認められている「自己売買業務」「有価証券の委託売買業務」「引受業務」「募集・売り出し業務」の証券業の4業務を行う証券会社のことをいい、野村證券や大和証券などの大手証券会社は総合証券に属します。

総合証券には、各支店・営業拠点に営業マンやアドバイザーがおり、株式投資や資産運用に関するアドバイスを受けることができますが、株式取引にかかる売買手数料は割高となっています。

ネット証券は、その名の通りインターネット取引に特化し、基本的に実店舗をほとんど持たない証券会社のことをいい、SBI証券松井証券がネット証券の大手として有名です。

ネット証券では、株式取引から決済まですべてオンライン上で完結し、総合証券のように営業マンやアドバイザーにアドバイスを受けることはできませんが、人件費や固定費がかからないことから売買手数料が安く抑えられています。

最も重視すべきポイントは売買手数料

証券会社選びで最も重視すべきポイントは売買手数料です。

株式投資の初心者・経験者にかかわらず、株式取引をすれば必ず売買手数料は発生し、コストとして重くのしかかってきます。

特に短期売買をメインとして一日に何回も取引する投資家は、取引回数が増えれば増えるほど手数料の違いが投資パフォーマンスに影響してくるため、売買手数料の安いネット証券会社を選ぶべきです。

売買手数料で比較

それでは実際に、各証券会社の売買手数料を比較してみましょう。まずはネット証券の手数料です。

証券会社 売買手数料 特色
10万円 50万円 100万円
SBI証券 139円 272円 487円 売買手数料は業界最安値水準。この他にもデイトレーダー向け手数料体系「アクティブプラン」あり。
カブドットコム証券 90円 250円 990円 MUFGグループで安定性は抜群。売買手数料はSBI証券に次ぐ安値水準
マネックス証券 100円 450円 1,000円 他のネット証券と比べると手数料はやや高めだが、サポートや投資情報が充実
松井証券 500円 1,000円 1日の株式約定代金合計10万円まで売買手数料無料
岡三オンライン証券 99円 350円 600円 岡三証券グループのネット証券。前月の取引量に応じて、信用取引の手数料が無料になる「プレミアムゼロ」あり。
ライブスター証券 80円 180円 340円 手数料の安さは業界No.1。新規口座開設者向けに2ヶ月間手数料無料キャンペーンあり。

この業界の手数料競争は激しく、業界大手のSBI証券が手数料の値下げを主導してきましたが、現在の売買手数料最安値はライブスター証券となっています。

では次に、総合証券の売買手数料を見てみましょう。

証券会社 売買手数料 特色
10万円 50万円 100万円
野村證券 ネット 150円 515円 1,029円 口座数・預り資産ともに日本で一番選ばれている証券会社。圧倒的な取扱数を誇るIPO銘柄や、質の高い独自分析レポートや投資情報を提供。
電話 2,808円 4,212円 11,967円
大和証券 1,000円 1,725円 3,450円 野村證券に次いで日本第2位の規模を誇る証券会社。口座開設者には日本最大級のニュース&データベースサービス「日経テレコン21」が無料で閲覧可能。
SMBC日興証券 750円 1,725円 3,450円 大手証券会社で唯一、信用取引にかかる手数料が完全無料
東海東京証券  1,500円 1,500円 3,450円 信用取引にかかる金利が年率0.90%と業界最安値水準

一目見てわかるとおり、ネット証券と比べるとかなり手数料が割高で、デイトレーダーが総合証券で頻繁に売買した場合、手数料負けしてしまいます。

「証券マンに相場の見通しについてアドバイスがほしい」などの理由がない限り、ネット証券の利用をおすすめします。

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取引ツールで比較

手数料の次に重視したいポイントが「取引ツール」です。

各証券会社とも、デイトレードをはじめ短期売買を行う個人投資家を取り込むために、取引ツールの開発に力を入れており、取引ツールは日々進化しています。

特にデイトレーダーのように、一日で何回も売買を繰り返す個人投資家にとって、スムーズな発注やリアルタイム株価を見ることができる取引ツール選びは、手数料と同じくらい重要です。

それでは各証券会社の取引ツールを比較してみましょう。

証券会社 名称 特色
SBI証券 HYPER SBI 板情報画面でドラッグ&ドロップのマウス操作をするだけで注文発注や注文訂正、取消が可能。口座を持っていれば無料で利用可能。
カブドットコム証券 kabuステーション ビッグデータから株価を予測する「リアルタイム株価予測」機能あり。月額900円の利用料がかかるが、信用口座を開設すれば無料で利用可能。
マネックス証券 マネックストレーダー 日本で初めて本格的なプログラムトレード機能を搭載。(「マネックストレーダー プロα」のみ)口座を持っていれば無料で利用可能。
松井証券 ネットストック・ハイスピード 注文条件を設定しておけば、板をクリックするだけで発注できる「スピード注文」画面あり。口座を持っていれば無料で利用可能。
岡三オンライン証券 岡三ネットトレーダー 約定スピードは業界最速。株価ボードは100銘柄×20リスト、計2,000銘柄登録可能。一定の取引があれば無料で利用可能。
ライブスター証券 livestar R チャートの種類が豊富で、チャートからマウス操作で発注が可能。口座を持っていれば無料で利用可能。

SBI証券の「HYPER SBI」が有名で、使いやすさとチャート機能が充実していることから人気が高く、プロのトレーダーからも高評価を得ています。

また、カブドットコム証券の「kabuステーション」は、自社でシステム開発を行っており、ビッグデータやアルゴリズムを取り入れるなど最先端の機能を備えています。

サービスで比較

では次に、サービス・取扱商品で比較してみましょう。

証券会社 IPO ミニ株 中国株 米国株 特殊注文 PTS 特色
SBI証券 ネット証券で唯一PTSを運営、取引時間終了後もPTSで取引が可能。
カブドットコム証券 × × 2011年にPTS業務から撤退し、現在、夜間取引は対応していない。
マネックス証券 × 投資信託の取り扱い本数が多く、未成年者向け口座獲得にも力を入れている。
松井証券 × × × ネット証券で唯一、NISA(少額投資非課税制度)口座での現物株の売買手数料が恒久無料
岡三オンライン証券 × × 日本株のほか、投資信託、先物・オプション、FX、CFDなど人気の商品を取り揃え、ワンストップで取引可能。
ライブスター証券 × × × × 逆指値注文や、OCO注文、IFD注文、IFDO注文など、豊富な特殊注文に対応可能。

○・・・取り扱いが多い
△・・・取り扱いがやや少ない
×・・・取り扱いなし

2015年のIPO(新規公開株)取り扱いランキングを見ると、SBI証券の取扱社数が82社とダントツの1位で、2位がマネックス証券の52社、3位がカブドットコム証券の28社となっています。

また当選方法については、SBI証券は申し込み口数による抽選が70%、IPOチャレンジポイントによる割当が30%となっていますが、マネックス証券とカブドットコム証券は100%完全平等抽選となっており、他の証券会社に比べて当選確率が高くなっています。

IPO取扱数、採用している抽選方式から考えると、IPOの当選しやすさは3社に軍配が上がることになります。

>> さらに詳しいネット証券会社のIPOの当選しやすさ比較はこちら

この他のサービスでは、SBI証券はネット証券で唯一PTSを運営しており、証券取引所の時間外の取引が可能で、会社勤めで日中株取引ができないサラリーマンでも、夜間に取引できます。

またマネックス証券では、創業以来セミナーや勉強会を数多く開催し、個人投資家向けの投資資産形成の教育・情報提供活動を展開するなど、個人投資家の金融リテラシー向上に力を入れています。

株式投資だけでなく、セミナーや勉強会を通じて金融知識を身につけたい人は、マネックス証券に口座開設するのがよいでしょう。