株の買い方のコツ

株の取引を実践するときに具体的にどのような視点を投資家は持つといいのでしょうか。様々な考え方がありますが、①分散投資か集中投資か、②ファンダメンタルズ投資かテクニカル投資か、という2点についてスタンスを明確にしておくことが重要です。

分散投資か集中投資か

まず、考えておきたいのは、分散投資か集中投資かという視点です。いずれかの立場により得られるリターンやリスクの幅が変動するからです。

分散投資のメリット

「卵を1つのかごに盛ってはいけない」という言い方で、分散投資をするのがいいといわれることがあります。

分散投資により、個別企業の倒産リスクなどを他の会社で吸収できるといわれています。このことから、投資の基本は分散投資とされることが多いですが、いわば負けない投資を実践する方向けの格言です。分散投資が、必ずしも分散投資が投資の成功を約束するものでないことを理解しておく必要があります。

集中投資のメリット

分散投資と違って集中投資はリターンも大きくなる可能性があります。株価が2倍に上がっても、10銘柄に分散していて1銘柄が2倍になっても、全体へのインパクトは5%程度です。

投資家自身の目利きの力を信じるのであれば、分散することなく最も有望な銘柄に集中投資することでリターンを最大化することができるのです。

集中投資でリターンを獲得してきた投資家で有名なのはウォーレン・バフェットです。彼はよく知っている銘柄に集中することで成功を収めてきました。現在の投資先はコカ・コーラやIBMなどです。

コカ・コーラは自分が毎日大好きなコーラを飲んでいるからというシンプルな理由ですが、気に入った銘柄に集中投資することで分散投資を上回る投資実績を上げてきました。

どちらを選ぶかは投資家の状況次第

結論からいえば、老後を迎えた投資家は資金の目減りが一番怖いので分散投資してリスクの分散を図り、今後就職する学生や20代のサラリーマンは集中投資でリターンの最大化を狙いましょう。

長期投資に耐えられる投資家であれば少々の値下がりも我慢強く待つことができますが、資産を切り崩しながら生活する投資家や年金生活者は資産の保全が第一の目的ですから、分散投資ということになります。

多くの投資家にはリターンを狙うために、集中投資を実践していただきたいと思います。集中投資である程度資産が増えた後ではじめて分散投資で資産の劣化を防ぐという順序で投資をするのが王道です。

ファンダメンタルズ投資とテクニカル投資か

投資手法として集中投資・分散投資の視点の他に、ファンダメンタルズ投資テクニカル投資という分類もあります。ファンダメンタルズ投資は企業業績に注目して将来性のある銘柄に投資するもので、テクニカル投資は株価の推移をヴィジュアル化したチャートから投資銘柄を選別する手法です。

ファンダメンタルズ投資とテクニカル投資家は古くからどちらが優れているか、論争の対象でもありました。現在でも決着はついていませんが、どちらの手法を取ろうともそれぞれ勝者と敗者が生まれてきましたし、これからも生まれてくることでしょう。

どちらが優れているかということはここでは重要ではなく、どちらの投資手法をとっているかを自覚して、それぞれに適した戦略をとることが重要なのです。

ファンダメンタルズ重視で買うコツ

ファンダメンタルズ重視で株を買うコツを紹介します。

伝統的な指標と会社四季報を使おう

ファンダメンタルズ投資を実践する場合には買い始める時期が非常に重要になります。具体的には、多くの市場関係者が悲観していときに買い始めなくてはなりません。

もちろん、後講釈では何とでもいえるのですが、直近ですと2011年の東日本大震災のあと民主党政権の迷走で政治経済に悲観論がはびこりました。後になってみれば、この頃の日経平均10000円割れしているときが買い時だったわけです。

長期投資では、PER(株価収益率)PBR(株価純資産倍率)が買い時の判断に有効です。割安株という点でいえば、PERが10倍以下、PBRが1倍以下、が目安になります。

直近でPERが10倍以下、PBRが1倍割れの銘柄が散見されたのは2013年初めごろのことでした。この頃にファンダメンタルズ投資を実践して株を買っておけば、結果的に大きなリターンを得ることができました。

意外に活躍するのが市販されている「会社四季報」です。会社四季報には2期先(最大2年先)の1株利益が掲載されていますので、1株利益が将来も伸びていくということになれば長期投資にうってつけの銘柄ということになります。

急落銘柄の突っ込み買い

ファンダメンタルズ重視の視点から急落銘柄の突っ込み買いもできます。最近では、オリンパス光学工業の例が分かりやすいと思います。

オリンパスは本業が順調ながら大きく株価を大きく落としました。会計操作の疑いでアメリカ捜査当局(FBI)も捜査に乗り出すなど、刑事事件化したからです。2000円以上だった株価は一時期400円台前半まで急落しました。

ただ、オリンパスの本業は内視鏡から多くの利益を得ていたことから、大きく売り上げを落とすこともなく会計操作問題を乗り切りました。

医療設備は、医療関係者から長い間信頼関係を積み重ねて導入してきた実績がものをいいます。事態が悪化することなく収束に向かっていったことでオリンパスの株価も元に戻るどころか、さらに上昇して現在に至っています。

もちろん、短期投資で突っ込み買いをする投資家もいましたが、ファンダメンタルズ重視で持ち続けてきた投資家はより大きなリターンを得ることになりました。3年程度で4000円前後まで上がりました。

ファンダメンタルズ投資で重要なこと

ファンダメンタルズ投資は割安な水準で買って結果的に大きなリターンを狙う投資方法です。このため、結果が出るまでじっくり待つ忍耐力が必要です。

急激に下げたオリンパスが10倍近く上昇するまでには3年以上かかっています。多くの投資家が上がりきる前に利益確定の売りを行ったことでしょうが、ファンダメンタルズに変化がない限り買いを維持しておくことは簡単ではありません。

オリンパスをファンダメンタルズ投資しているのであれば、業績に大きな変化が無い限り買いを維持することが重要なのです。

テクニカル分析は徹底的にチャートに従うべき

短期投資は買う時期に関しては、過去の値動きの経験則から投資のタイミングを図ることになります。主にデイトレーダーが短期投資の判断基準としてチャートを重視していますが、短期投資は買うタイミングよりも売るタイミングが重要です。

短期投資は薄利多売で利益を積み重ねていく手法ですので、1度の取引で大きく負けるわけにはいきませんので、そのために損切りが重要です。

そのうえで、以下の2つのことを理解しましょう。

発想を変える

ファンダメンタルズ投資とテクニカル投資は発想が全く異なることがあります。ファンダメンタルズ投資では安く買って高く売るという意識を持つのに対して、テクニカル投資は「高く買ってさらに高いところで売る」「安いところで空売りしてさらに安いところで買い戻す」という発想が必要です。

株価というのは長期的に見れば企業業績(ファンダメンタルズ)に見合った価格になります。

しかし、企業業績が株価に反映されるまでには非常に長い時間がかかります。日々の株価というのは需要と供給の関係がものをいう世界ですので、株を買う場面で割安か割高かということは無視するのが短期投資であり、これがテクニカル投資の神髄なのです。

テクニカル投資の基本事項

テクニカル投資ではチャート分析が必須ですが、基本中の基本を1つだけ触れておきたいと思います。

「ローソク足」と呼ばれるのが通常使われるチャートですが、直近のローソクの上限を超えて来たら「買い」で、下限を下回ってきたら「売り」です。

デイトレーダーで前日安値を割り込んでいるのに「買い」のまま見ているような人たちは必ず大きな下落にあって市場から退場していきます。前日より安くなったから買いだと考えているようなテクニカル投資家で長く市場にとどまっていることはできません。

株の買いは右肩上がりの価格推移を想定して買いを入れなければならないのに、右肩下がりが始まっている前日より安い水準で買いを待っていたら勝てません。

テクニカル投資はこの基本について理解してから実践するようにしましょう。

テクニカル投資家で陥りがちな誤りは、株式市場に精通してくるにつれてファンダメンタルズ投資の要素も取り入れていってしまうことです。

テクニカル分析で買いの状態と判断されれば淡々と買い、売りと判断されれば淡々と売る、ということを繰り返しながら投資判断の制度を上げていくことが大切です。使う投資手法を信じて取引を実行する、という意思の強さが最終的には勝利を呼び込むことになるのです。

>> 株の選び方の詳細はこちらから