未成年の株の買い方

金融先進国といわれるアメリカでは、子供のうちから学校で株式投資を学ぶ機会が設けられるなど、投資に対する意識は高く投資教育文化が根づいています。

日本でも、子供に株式投資を経験させて早いうちから経済に興味を持ってもらおうと考える家庭は増えてきていますが、まだまだ「投資は大人がやるもの」という考え方が根強く、現状では子供のうちから投資教育を受けることへの理解は十分に進んでいません。

ニッポン放送株の買い占めやライブドア事件で一躍有名になった村上ファンドの村上世彰氏は、父親に投資教育を受けて小学生の頃から株式投資を行っていましたが、こうした家庭はごく少数です。

日本では、2014年1月から個人投資家の資産作りを促進するために少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」が始まりました。毎年100万円を上限とする新規購入分を対象に、そこから得られた利益が最長5年間非課税となる制度ですが(2016年より非課税投資枠は120万円に増額)、いよいよ2016年4月から未成年を対象とした少額投資非課税制度「ジュニアNISA」が開始されることもあり、各証券会社は未成年口座の開設に力を入れてきています。

このジュニアNISA開始をきっかけに、未成年の株式投資に対する関心が高まっており、株式投資を通じて子供に経済や社会の仕組みについて教育したいと考えている家庭も多いのではないでしょうか。

若いうちから株式投資をすることは、経済やお金の流れを学ぶことができます。以下では、未成年の株の買い方について見ていきます。

未成年でも口座開設できる

株式投資を始めるには最初に証券会社に口座を開設しなければいけませんが、未成年でも証券会社に口座を開設することは可能です。ジュニアNISAが2016年4月から開始されるため、未成年口座やジュニアNISAに対応するネット証券会社が続々と登場しています。

証券会社 未成年口座 ジュニアNISA口座
マネックス証券
SBI証券
カブドットコム証券
松井証券
東海東京証券
岡三オンライン証券 ○(2016年3月11日より受付開始)
ライブスター証券 ×

口座開設時に必要なもの

未成年で口座を開設する場合には、口座開設を希望する証券会社に以下の書類を提出しなければなりません。

  • 未成年口座申込書
  • 親権者を取引主体とする同意書兼未成年者を取引主体とする同意書
  • 未成年者と親権者それぞれの本人確認書類
  • 親権者と未成年口座名義人の続柄を確認できる証明書類
  • マイナンバーを確認できる個人番号記載書類および本人確認書類

上記の書類以外にも、総合口座から出金する際の振込先金融機関口座印鑑の用意も必要です。また、2016年1月からマイナンバー制度が始まり、証券会社が税務署に提出する支払調書等の作成をするため、口座開設希望者からマイナンバーの提出が必要になっています。

未成年口座開設時の注意点

未成年の口座開設手続きには、一般の口座開設手続きと異なる点がいくつかあり、下記の条件を満たしていないと口座を開設することができません。

未成年口座の開設は満20歳未満であること

0歳から口座を開設することができますが、満20歳未満でないと未成年口座開設はできません。ただし、未成年口座の名義人が20歳に達した場合は、成人用の証券総合口座に移行することになります。

未婚であること

20歳未満ですでに婚姻している場合は、一般口座を開設することになります。未成年口座の名義人が婚姻した場合は、成人用の証券総合口座に移行することになります。

親権者が取引口座を開設済みであること

親権者が口座開設予定の証券会社に取引口座を開設していない場合、親権者の口座開設完了後に未成年口座の開設を申し込むか、親権者の口座と未成年口座を同時に申し込む必要があります。

未成年者の年齢により「取引主体」が異なる

未成年者の年齢により未成年口座の発注等を実際に行う「取引主体」は、満15歳を境にして異なってきます。満15歳未満でも未成年口座を開設できますが、取引主体は親権者か未成年後見人に限られます。

証券会社 満15歳未満 満15歳以上
取引主体 親権者又は未成年後見人 未成年本人または親権者

※未成年後見人…親権者の死亡等で未成年に対し親権を行う者がない場合に選ばれる、未成年者の代理人のこと。

取引主体が親権者か未成年後見人の場合、親権者が未成年者本人の代わりに財産を管理することを目的として口座開設ができます。取引主体が未成年者本人の場合、口座開設には親権者か未成年後見人の同意が必要になります。

未成年が株を買うメリット

未成年口座には、さまざまなメリットがあります。ここでは未成年が株を買うメリットについて紹介します。

株主優待を効率的にゲット

権利確定日に株式を保有していると株主優待を受けることができますが、原則として株主優待は1名義につき1個で、保有株数が増えても同じ数だけ株主優待が増えるわけではありません。

しかし、親権者口座と未成年口座で分散して株を購入すれば、口座の数だけ株主優待の数を増やすことが可能で、株主優待を効率的にゲットできます。

たとえば、ある企業の株を親権者口座で2株買っても株主優待は1個ですが、親権者口座と未成年口座でそれぞれ1株ずつ購入すれば、株主優待を2個ゲットすることができます。

IPO(新規公開株)の当選確率がアップ

未成年口座が開設可能な証券会社では、未成年でもIPO(新規公開株)に申し込み可能なところが多く、親権者口座と未成年口座の両方からIPOを申し込めば抽選回数も2倍に増え、当選確率がアップします。

通常のIPOは、取引金額の大きい「大口顧客」に割り当てられることが多いため、資金量や取引が少ない未成年口座で申し込んでも当選の確率は低いですが、マネックス証券やカブドットコム証券などの完全平等抽選の証券会社であれば、複数の口座で申し込めば申し込むほど当選確率がアップします。

またSBI証券では、抽選以外に「IPOチャレンジポイント」の多い順に当選者を決める方式をとっており、IPOに応募して落選した場合でもIPOチャレンジポイントがもらえ、このポイントを貯めていけばいつかは必ずIPOをゲットできます。

生前贈与の非課税枠

贈与税においては、受贈者1人あたり年間110万円までは非課税となります。そこで、年間110万円を超えない範囲で子供の未成年口座に資金を移せば、短期間で資金を非課税で移転することが可能です。

ジュニアNISAで年間80万円が非課税に

ジュニアNISA口座では、年間80万円までの投資に関わる売却益、配当、分配金にかかる税金が非課税になります。非課税対象は上場株式、株式投資信託、ETF、上場REITなどで、非課税期間は最長5年間となっています。

ただし、ジュニアNISAは教育資金としての利用促進のため、18歳までは払い出しができません。

未成年が株を買うデメリット

未成年口座には、メリットだけでなくデメリットもあります。ここでは未成年が株を買うデメリットについて紹介します。

取引が制限される

未成年口座では取引できる商品が限られ、信用取引や日経225先物取引、FXなどリスクの高い取引を行うことができません。

口座管理が煩雑

未成年口座の資産や取引は、親権者の責任において管理しなければならず、親権者は複数の口座の資産状況を把握しなければなりません。

また親権者は、未成年口座のログインID・パスワードなども管理しなければならず、管理に手間がかかります。

ジュニアNISA口座開設の流れ

2016年4月から始まる「ジュニアNISA(ジュニアニーサ)」は、0歳~19歳の未成年を対象とした少額投資非課税制度で、年間80万円分の非課税投資枠から得られた譲渡益、分配金、配当金が非課税になります。

ジュニアNISA口座の開設には、以下の手順を踏む必要があります。

ジュニアNISA口座開設書類請求申込

必要事項を記入しジュニアNISA口座開設書類の資料を請求します。資料が届くまで数日待ちます。

必要書類の返送

口座開設する証券会社に必要書類を返送します。返送する書類は以下になります。

  • ・ジュニアNISA申請書(必要事項を記入します)
  • ・マイナンバー(通知カードもしくは個人番号カードのコピー等)
  • ・本人確認書類(マイナンバーを通知カードで提出したときに必要)

ジュニアNISA口座の開設

書類に不備がなければ、1~2週間ほどでジュニアNISA口座開設が完了します。ジュニアNISA口座開設完了までに、証券会社から税務署への申請が行われています。

ジュニアNISA口座開設時の注意点

ジュニアNISA口座の開設には、あらかじめ未成年口座を開設している必要があります。未成年口座の開設には親権者の取引口座の開設も必要なため、ジュニアNISA口座の開設には、2つの口座の開設が必要になります。

未成年へのサポートが充実しているネット証券会社

未成年口座を開設できるネット証券会社のうち、サポートが充実していてオススメなのがマネックス証券です。

マネックス証券では、親子でお金や投資について考えてもらうことを目的に、東京証券取引所と共催で「親子で学ぼう! 株のがっこう」を開催するなど、未成年者向けの投資教育に力を入れており、現在3,000人近い小・中学生がマネックス証券で口座を開設して株式投資しています。

また手数料も約定代金10万円以下は100円(税抜)と、投資資金が限られている未成年にとって利用しやすい手数料体系となっています。

最後に、マネックス証券以外に、未成年口座を開設することが可能な証券会社をピックアップしてみました。未成年口座の開設を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

SBI証券

SBI証券の取引できる商品は、現物株式、単元未満株(S株)、新規公開、公募、売出、立会外分売、外国株式、投資信託、債券で、夜間取引(SBI PTS)で取引することも可能です。

カブドットコム証券

カブドットコム証券の取引できる商品は、現物株式、プチ株(単元未満株)、投資信託(レバレッジ投信など一部商品を除く)、外貨建MMF、債券です。

松井証券

松井証券の取引できる商品は、現物株式、新規公開、公募・売出し、立会外分売、預株(よかぶ)、米ドルMMFです。

手数料は、1日の約定代金が10万円までなら無料となっており、投資資金が限られている未成年にとって大変魅力的な手数料体系となっています。